第5話
結局目玉焼きでさえフライパンにくっついて作れなかった。
「朝は、ふりかけご飯だよ。」
「えーふりかけ」「どれにしようかな」
自分はふりかけ以外も食べたいようだ。兄はふりかけでも食べようとしている。
二人が学校に行った後、お父さんから連絡が来て、パソコンのパスワードを教えて貰った。
「油、そうか、油か!こんなことも知らなかったか!」
そして、目玉焼きは完成した。
今日の朝食べさせたかったな。
そういえばお兄ちゃんが初めて作ってくれたのも目玉焼きだっけ。
本当に後悔ばかりだよ。
ーーーーー
それから、洗濯もパソコンで細かく調べながらやった。
家はきっと私が散らかしても兄が片付けてくれたのだろう。私の部屋の中の配置がよく変わっているが、入れ物には入っている。
そりゃこんな駄目な私の為に他のこと出来なくなるよね。
ーーーーー
「ただいま!友達連れて来たよ。」
兄が帰って来て友達を呼んできた。
「おかえり、友達連れてきたのぉぉぉ」
「ぅそ、、、あっ、、、お邪魔します。智永 新です。」
とても見覚えのある男の子。この子は高校までお兄ちゃんと一緒で高校から仲良くなる、、、いやお兄ちゃんの幼馴染を狙うようになる。
お兄ちゃんに傷を植え付けた一人だ。
お兄ちゃんはお母さんが亡くなってから、一度も友達を呼ぶことをしなかった。いや出来なかったのか。
そしたら、まさかこんなにはやく関わることになるとは。
「あ、ぁ、智永くんね、よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
もう二度と兄を傷付けない為にもこの子は全力で警戒しないと行けない。ただいまのこの子に罪はないし、私がいることで良い子に変化する可能性も0じゃないのかも知れない。
「、、、あの、」
「どうしたの?」
「、、、すいません、何でもないです。」
正直、私、、、お母さんを見る彼の目が少し普通の子どもと違うと女の勘が言ってる気がする。
兄は新を見て問いかける。
「どうしたの?新?」
もう顔を見て何か話したいか分かる仲なの?
「お母さん大切にしろよ」
やっぱりこの子狙ってるの??
「もちろん、でもなんでお母さんにカッコつけてるの?」
「、、、」
なんで、そこで黙るの。
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