第4話
家に帰ると、懐かしい家具と世代の戻ったゲーム機などがあった。
まだこのゲーム機の時は私も素直で兄とも仲良く出来てたんだよね。
「お腹空いたー」
昔の私がお腹を抑えて、全力で空いたアピールをしている。
兄の方がご飯よく食べていたけど、腹が空くアピールも好き嫌いも私の方が圧倒的に多かったな。
兄の方もお腹空いた顔をしているけど声には出さない。
「とりあえず、ご飯にしようか」
「やったーー」「うん!」
自分を見ると悲しくなるが、兄は可愛いと思った。
まずいな、ご飯全部兄に任せきっりで全然作れない。家庭科理も食べる専門だったしな。
本当にどれだけダメなんだ、私。
もう少ししたら、兄はハンバーグだって習得するのに、、、
とりあえず目玉焼きを作ろう、、、
あれ、目玉焼きがフライパンにくっついてちゃった。取らない、取れないぃ、、
「ごめん、今日はカップラーメンでお願いね」
「えーー、」「久しぶりにお母さんのご飯が食べれると思ったのに」
「本当にごめんね。」
それから、3人で一緒に寝ることにした。
兄の寝顔を見る。
昔もお母さんが亡くなってから、夜泣く私に、泣き止んでから寝るまでずっと優しく声を掛けてくれたんだよね。
お兄ちゃん、、、ごめんね、、、本当に
二人も寝たし、料理の練習しないと、
パソコンはパスワード付いてるよ!!お父さんにメールで聞かないと開かない!でも遅いから返信が来ない。本を探そう。本棚に一冊もない。兄がいつも読んでた料理本は、、、自分で買ったんだな。
どうしよう、せめて目玉焼きくらい明日の朝に作ってあげたい。
そうだ、ご飯炊かないと。
確か水で、しっかりと研いでから炊くはず。
昔に一度だけ、興味本位でお兄ちゃんに手伝って記憶を思い出す。
炊飯器は前と変わってないままだから水を入れる基準も分かる。
なんとかご飯は出来そうだ。
たまに、夜起きて、兄がトイレに向かう姿を見ていた。
【どこに行くの?】
【トイレだよ、今日は長くなりそうだから、先に寝ててね】
お兄ちゃんはそう言っていつも夜こっそり起きてる。いや寝ないで我慢していたのだろう。
本当に、本当に駄目すぎだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます