第3話

お兄ちゃん視点


小学校の男子二人の話。


「お母さんが退院するって本当なの?」


「本当だよ!」


「凄く、嫌なことを聞いていいかな?」


 「何?」


「今、生きてるの?」


「生きてるよ!!ひどいな、新は」


「あはは、こないだまで凄く悪いって聞いたから」


ーーーーーーーーー

 転生妹視点


 「それは、本当はなの?三奈」


「本当だよ、お父さん。」


電話でお父さんに本当のことを言った。隠すより、正直に言った方が良いと思ったからだ。何より前世で本当の事を言えずに後悔したから。


 「この事は、息子達、、、いや兄と娘には言わないことにする」


  「うん、そのうち話すね」

まだ、兄妹は小さい子どもだ。母親の精神が変わった事実を知るには辛すぎる。


  「わかった、、、悪いけど、三奈、、、雪」


「三奈でいいよ、辛いなら別な呼び方でもいいよ」


「じゃあ、お母さんと呼ぶことにする。それより、そろそろ仕事があるから切るね。」


「わかった、お父さん。」


ーーーーーー

今日退院する日になった。


 「お母さん、俺お母さん居なくても頑張ったよ!」


「あ、ずるい私も私も!!」


 小さい時から、兄と二人だけで暮らすことが多かった。

 とってもしっかりしてる兄は、家事をこなし家にあるお金を管理して弁当を買っていた。

 

 そして、お母さんが亡くなったあと、兄は更に頑張るようになり、栄養も考えて私のことを第一に考えて生活するようになっていた。


  「お母さん?」

兄は心配そうに、私を見る。


 兄は辛い顔を全然しない、いや心配させないようにしなかっただけなんだ。


 「えらいね」


 「うん!」


兄の頭に手をのっける。とっても心が痛む。何様なんだろうか、


 「私も、私も!」

そう、私は頑張らないで片付けは兄任せで、お菓子の駄々を毎日ように兄に纏わりついていた。


 「、、、、、、頑張ったね。」


 「やったー」

小さい私に手をのっける。とっても小さい私はとっても嬉しそうにしている。兄もそれを見て「よかったね」と言うような、優しい笑顔している。私は、改めて本当に大切な人を傷付けてしまったことを思い知る。


 今は、母親なんだ。やり直すんだ。辛いことから自分の罪から目を背けるな。私は母親として頑張るんだ。

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