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【032】LINE
通信手段の一つでしかないのに
言葉の断片それぞれに
一喜一憂して、
リアルタイムで言葉を欲しがっては
本当の意味を希釈しすぎて
感情温度低下していくのに
通知があった昨日
通知がない今日
今日はメッセージが飛んでくることを待ち望んで
そういえば、
君がどんな声で笑っていたのか
忘れてしまったんだった
着信音が鳴った
君があそこにいた
心オドッテ、GPSで確認して
位置情報を追いかけて
君は深海の頂点で
波紋を広げて
明日、バックアップを忘れて
データを移行できないまま
あなたの端末は存在しませんって
彼方に置いてきた思い出だけが
うすら笑うの
ぜんぶ、
からっぽに、
きみのことを、
わすれて、しまったんだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
作者蛇足
投稿当初は「ライン」とタイトルを表記していましたが、
転載にあたり「LINE」と改題しています。
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