第5話
宿を見つけた。
「子ども二人と大人一人同じ部屋で。」
「銀貨4枚だよ。」
かなり可愛い店員さんだ。子ども達より少しだけ年上の女の子だ。
「はい、お願い。」
残り銀貨25枚ある。多分かなり儲かったんじゃないのか?
「ご飯あるかな?」
「あるよ!お姉ちゃんーご飯作ってあげて」
「はーい!」
「ご飯サービス一人につき銀貨一枚ね」
俺はやっと椅子に座れた。そして一気に疲れが出た。
子ども二人は座ろうとしない。
「二人も座って」
俺が正面にいるのが気になるのかな。
「出来ました!っあら、」
美味しそうなご飯が運ばれる異世界の肉料理って感じだ。
「二人も座って食べな。」
「・・・」
「・・・その、」
青は空のことを気にしている。でも青自身もまだ怯えているようだ。非常食の時もそうだけど、食事を少し怖がっているのか?
ご飯運んでくれた人は怖く俺を睨んでいる。
「ッチ、もしかして、奴隷」
急に怖い声に変わった。あと奴隷がいるのか
「違いますよ、すいません、もう一つ横の席も使って良いですか?」
その席に料理を運び、俺はそっちに座った。
「二人はそこの席に座って食べな。」
「・・・」
空は明るい顔になった。
「・・・ありがとう」
二人は座った。
「いただきますを忘れないようにね。」
「・・・いただきます」
「いただきます!」
二人は元気よく泣きながら食べた。
俺も食べるか
「いただきます・・おいしーー」
子ども達からも美味しいと声が聞こえる。
さっきの料理を運んでくれた、おそらく受付のお姉ちゃんは顔を緩めてこっちにやって来た。
「すいません。二人は奴隷なんですか?」
「さっき言った通り違います。実は今日拾ったばかりの子どもなんです。」
「そうだっんですか!すいません。さっきは失礼な態度を」
「いえいえ、良いですよ。むしろ子ども達に怒られる優しい人じゃですか」
「え、あの・・ありがとうございます。」
「それより本当にご飯美味しいです。子ども達も喜んでくれますし、ありがとうございます!」
「そんな、店員として当たり前のことしただけですし、その失礼な態度を取ったお詫びに、奢らせて下さい。」
「それこそいいですよ!こんな美味しいご飯を作って下さったのですから、払わないと俺のプライドが許しません。」
「でも、」
「なら、出来ればこれからもここの店を使いたいので予約でお願い出来ますか?」
「そんなの願ったら叶ったりです!!」
凄く手をバタバタしている。
「契約成立です!」
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