第12話 せ、先生ってば……エロすぎだろッ

 今までなかった予想外の死に渦巻は飛び上がった。


「……ここは、先生の部屋か」


 同じクラスの佐藤に刺されるのは、これが初めてだった。異常事態に頭を抱える渦巻。風見鶏から殺されるのはまだ理解できる。だが、同級生から命を狙われる覚えはなかった。しかし、刺されて死んでしまった。


 意味が分からないと渦巻は悩むばかりだった。

 そんな中、風見鶏が現れた。

 風呂に入っていたようで、バスタオル一枚の姿だ。


「どうしたの、渦巻くん」

「せ、先生……いえ、その……悪夢を見ていたようです」

「よく見れば汗が凄いね。お風呂、入る?」

「そうですね。そうします」

「じゃあ、先生と入ろっか」

「え……でも、先生は入ったばかりでは?」

「いいのいいの。渦巻くんとわたしの仲だし」


 風見鶏は、微笑みながら渦巻の手を取る。渦巻にとっては喜ばしくもあり、緊張感もあった。彼は未だに風見鶏と肌を重ね合わせた経験はなかった。キスもまだだった。

 今回の風呂も初めての経験であり、渦巻はガチガチになった。

 雰囲気に流され、風呂へ向かった渦巻。


「あ、あの……先生、脱ぎますね」

「う、うん」


 服を脱ぎ、裸になる渦巻は腰にタオルくらいはつけた。そのままバスルームに入り、バスチェアに腰掛ける。


「じゃあ、汗を流すね」

「先生が洗ってくれるんです?」

「もちろん」


 そう言って風見鶏は、シャワーを手に取って渦巻の体を洗っていく。細い指が渦巻の背中を撫で、彼は背筋がゾワッとした。


「先生の指、くすぐったい……です」

「ごめんね、すぐ終わるから」

「いえ、ゆっくりでいいです」

「そっか。……ところで、渦巻くんって筋肉凄いね」

「そうです? 普通ですけど」


 渦巻の筋肉質な肉体に惚れ惚れする風見鶏。息が乱れ、その呼吸が渦巻の背中に当たる。当然、渦巻は心臓が早くなった。


(せ、先生ってば……エロすぎだろッ)

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