僕のこと
「まさかアタシが入院するなんてね~!陽風には迷惑かけちゃったね~!」
頭に包帯を巻いた七星が話す。
「別にいい。金はお前の親父さんが出してくれたんだろ?」
「まぁ。正確に言うとお金を出してくれたのはお母さんなんだけどね。」
七星曰く七星が入院したのを伝えられたとき親父さんはショックで倒れてしまったらしい自宅で療養してるようだが、あまり七星の話はしないと組全体で協力しておふくろさんが全額負担してくれたとのこと。
「俺はもう行くぞ。母さんの見舞いもいかなくちゃならないからな。」
俺が病室を出ようとしたその時、七星が紙を渡してきた。
「なんだよ。これ。」
「これはこの事件の真相。」
紙を開くとそこにはアルファベットの羅列、そして端に小さく
『アタシたちはずっと見られてる。アンタならこれを解けるはず。』
と書かれていた。見られてる、あの少女にか?とするとこれは何かの暗号。
真相にたどり着くにはまずこの暗号を解読する必要がある。
なるべく時間はかけたくないな。家に帰ったら連絡を入れておこう。
七星はもう眠ってしまった。今聞くことではない。俺は病室を後にした。
「母さん、来たよ。」
「あら陽風お仕事は?」
「まだ忙しいけど昨日仕事仲間が事故に遭っちゃって、ここに入院したらしいからそれのお見舞いと母さん元気かなって思って。」
「そうなのね嬉しいわ。後、看護師さんが渡してくれた焼き菓子美味しかったわ。ありがとう。」
そういって俺の頬を撫でた。
「喜んでくれて嬉しいよ。僕もうそろそろ帰るね、休憩時間終わっちゃうから。」
「あらそうなの。リモートでも休憩時間とかあるのね。」
「そうなんだ、会社には行かないけど普通の会社と変わらないからね。
時間に余裕が出来たらまた会いに来るね。」
そういってから俺は病室を後にし家に帰った。
家に帰った俺は早速パソコンの電源をつけてディスコードを開きあの人にコンタクトを取った。
『うーす。どした?こんな時間にいつもは起きてないだろ?』
『いや、今日は母さんの見舞い。』
『あーお前の母さんね。どうだった?』
『相変わらず自分の世界に浸りっぱなしだよ。』
『もう何年た経つよ?アンタの母さんが精神病院に入院したの。』
『何年かな?俺が7歳の時に入院したから10年くらい?でも何度か退院は
してると思うけどな。』
『へーへー、そうかよ。』
俺の母さんは父さんが居なくなった後、俺には新しい父さんになりそうだった人がいた。だけどその人は別の人と結婚していて子供もいた。
その人は母さんにそのことを隠していらしくそれを知った母さんは酷くショックを受け精神を病んでしまった。その人は罪悪感が募って金だけを置いて出て行ってしまった。
それ以降母さんは、被害妄想がひどくなり俺のことをよく殴ったり飯を与えなかったり、家から追い出したりした。それがだんだんとエスカレートし、虐待を疑った隣人が警察に通報して母さんは病院へ俺は保護施設へ送られた。
2年が経ち、母さんとの面会が可能になったから俺は久しぶりに会いに行った。
母さんは母さんじゃなかった。俺はショックだった。
母さんは入院中病室の窓から飛び降りた。幸い一命は取り留めたが落下した衝撃で脳に損傷が残り何かがおかしくなって母さんの中での記憶が大きく改ざんされてしまったらしい。母さんの中では父さんは事故で亡くなったことになっていると看護師から聞かされた。
だから俺は母さんが求める理想の
一人称も「俺」から「僕」に変えて、高校は通信制の高校ということにした。
ハッカーも隠しプログラミングの才能を企業に買われて仕事をしながら学業に励んでいることにしている。母さんはそれに納得しているからこれでいいんだ。これで。
『で、話を戻すがどうしたんだよ僕を呼び出したりなんかして。』
『あぁ実はなファクター俺今霊媒師みたいな奴の手伝いしてんだよ。』
『え!?マジで!?人間嫌いなお前が!?』
『マジだ。この前女子高生の変死体について調べてほしいって話したろ?それも実はその霊媒師みたいな奴が頼んだことなんだ。依頼を受けてね。』
『へぇ~。んで今回もそれか。』
『話が早いな、ソイツ最近こんな紙寄越したんだよ。今送る。』
『アルファベットの羅列ぅ?』
『あぁなんかの暗号らしいんだが俺にはさっぱりでなそういう暗号系には疎くて、そこで情報屋の力を借りたい。』
『あぁもういいぜ。分かった、解読したのを作るからちょっと待ってろ。』
『そうか、もう、さすが情報屋。仕事が早くてたすかるぜ。』
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