調査
次の日の18時華の山高等学校のに足を踏み入れた。
電話で伝えたとおりこの日の部活動も全て休みにしてもらい、18時以降の生徒の出入りを禁止してもらった。だから、今この校舎にいるのは教員と俺と七星だけだ。
「この前来た時より空気が悪い。力が強まってる証拠ね。」
七星が顔をしかめて言う。
「そうなのか。なら早急に対処するのがいいな。」
「そうね。だけど見つからないなら対処のしようがないわ。」
確かに七星の能力は近距離で使うことで相手に効果がある。だからこんなとこで使ったって意味がないのは七星自身がよく理解しているはずだ。
「よしっ、この学校回ってみよう!」
「あぁ俺も同じこと考えてたところだ。」
階段、理科室、体育館、音楽室。学校の怪談によく取り上げられそうな場所やカタマリに襲撃された生徒たちは階段から落ちて怪我をしたパターンが多いらしい。だからそういった場所を重点的に見て回った。
「いないね。おっかしいなぁ確かにこの学校には居るはずなんだよそれもなかなかにヤバい奴が。」
「ここにはいないんじゃないか?やっぱ直接的な原因になったあそこなら怨念が溜まってると思うんだが。」
「あそこね。行くつもりだったけどここまで空気悪いと行くの渋るなぁ。」
「でも行かないとこの依頼は解決には至らないぞ。」
「それもそうだよねぇ…。」
七星は少し渋ってから行くよと言って歩き出した。
俺たちが向かったのはこの学校の一番高いところ。つまり屋上。
「うーん。さっきより気は強いんだけどそこにいる!って感じは全くしないんだよね陽風はなにか視えた?」
「いやまったく。俺は七星みたいに感覚が鋭いわけじゃないからな。」
現在時刻19時30分
辺りは暗闇に包まれていて念のために持ってきた壊れかけの懐中電灯と月の明かりだけの空間。
そのとき懐中電灯の明かりが完全に消えてしまった。どれだけいじってももう明かりがつくことはなかった。
「あちゃー完全に駄目になっちゃったかぁ。」
「何年も使ってない。そうなるのも当たり前かもしれないな。」
「ちゃんと新しいのかって来ればよかっ…た…。」
七星の様子が変だ。
「おい、七星どうした。」
「静かにして。何か変。急に空気が変わったさっきとかのよりとは比べ物にならない。これは、一時退却しかないわ。」
そう言うと七星は屋上への入口へ向かって走り出してしまった。
「おい!!どういうことだよ!七星!!」
追いかけようとしたその時だった。
何者かが金属パイプを七星の頭めがけものすごいスピードで振った。
パイプが頭に当たった七星は血を流してその場で倒れこんでしまった。
「七星!!!」
すぐに駆け寄って七星の安否を確認した。どうやら気絶しているだけのようだ。
だが救急車を呼ばないと。
携帯電話を取り出したその瞬間後ろで何者かの気配がした。即座にその場から離れた。
「誰だ。なぜ俺たちを狙う。」
「駄目なの。あなたたちは存在してはいけない。邪魔。」
少女の声。
姿は見えない。
とりあえずどこかに隠れなくては。
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