第3話

俺はカバンの中に入れられた。


カバンの中は暗くて狭かった。俺は動くこともできなかった。俺は恐怖におののいた。


「助けてくれー!」


俺は叫んだが、誰も聞いてくれなかった。


「あらあら、騒がしいわね。もう少し我慢しなさいよ」


彼女の声がカバンの外から聞こえた。


「誰だよお前! 何で俺をカバンに入れたんだよ!」


俺は怒鳴った。


「私は藤原美月と言うの。あなたは鈴木一郎くんでしょ?」


彼女は言った。


「えっ? どうして俺の名前を知ってるんだよ!」


俺は驚いた。


「私はあなたのことをずっと見てたのよ。あなたは私の理想の男性なの」


彼女は言った。


「えええええ!?」


俺は呆れた。


「私はあなたに一目惚れしたの。だから、あなたを自分の家に連れて行って、あなたを溺愛することにしたの」


彼女は言った。


「えええええ!?」


俺は絶句した。


「私は天才的な発明家なの。このカバンも私が作ったものよ。このカバンに入れば、どこでも行けるの。便利でしょ?」


彼女は言った。


「便利じゃないよ! こんなカバンに入れられるなんて、人権侵害だよ!」


俺は叫んだ。


「そんなこと言わないで。私はあなたのことを大切にするから。私はあなたを幸せにするから」


彼女は言った。


「幸せになんかしないよ! 早く俺を出してくれよ!」


俺は泣きそうになった。


「もうすぐ着くから、もう少し待っててね」


彼女は言って、カバンを閉めた。


俺は暗闇に閉じ込められた。


俺はカバンの中に入れられた。


カバンの中は暗くて狭くて暑かった。俺は息苦しくなった。


「助けてくれー!」


俺は叫んだが、誰も聞いてくれなかった。


俺はカバンの中で暴れたが、開けることができなかった。


俺は美少女に連れられて、どこかに行ってしまった。


「どうしてこんなことになったんだ……」


俺は涙目になった。


しばらくして、カバンが止まった。


「よし、着いたわ」


美少女の声が聞こえた。


「開けてくれー!」


俺は叫んだ。


「あら、まだ生きてたの?」


美少女は驚いたように言った。


「当たり前だろう! 早く開けてくれよ!」


俺は怒鳴った。


「わかったわかった。じゃあ、開けてあげる」


美少女はそう言って、カバンを開けた。


俺はカバンから飛び出した。


「やっと出られた……」


俺はホッとした。


「ごめんなさいね。私、人をカバンに入れるのが癖なの」


美少女は笑顔で謝った。


「癖って何だよ! そんな癖やめろよ!」


俺は怒った。


「でも、あなたは私のカバンにぴったりだったのよ。あなたは私の運命の人なのかもしれない」


美少女は嬉しそうに言った。


「運命の人って何だよ! お前とは初めて会ったばかりだろう!」


俺は呆れた。


「そう? 私はあなたに一目惚れしたのよ。あなたは私の理想のタイプだったの」


美少女は熱っぽく言った。






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