第8話

私は家族にあったことを説明した。


 「大変だったんだね」


 女の人は私の話を聞いて泣いてくれた。


 「はい」


「とりあえず、ゆっくりして行ってよ」


「あ、あのぉ助けてくれて、ありがとうございます。」 


 「いいよ。」


ーーーーーー


 「あなたのこと、この子が見つけてくれたんだよん」


「ワン!!」


女の人に答えるようにホームちゃんは返事をする。


 頭良いんだ


「頭撫でてあげて、喜ぶから」


「えっ」


私、犬撫でたことはもう


 「あ、もしかして多分犬触ったことない感じ?」


「はい、もし触ったりするとばい菌とかで怒られるので、だいぶ昔に一回だけです」


「そっか、でも大丈夫だよ。検査はしてるしこんな感じに」


そして、お手本を見せるように優しく撫でいる。


 「やってみて」


「はい」


ホームちゃんがじーとみている。


 そして、そっと手を伸ばして、フサと超気持ち感覚が手に触れる。


 「良いでしょう」


「はい!!」


「ワン!!」


「ホームも褒められて嬉しいみたいだね」


「そうなんですか?」


「うん!」


ホームちゃんマジ天使過ぎる。


ーーーーーー


「これから、どうするしようか」


「・・・っ」


「私の家で泊まっても暮らしてもいいよ」


「そこまでして貰うのは」


「別に良いって、ホームも一緒なら嬉しいよね」


「ワン!!」

  うんと言ってることがわかる。


「ホームちゃん」


「お、ホームに惚れてるな、ホームを愛でたり、触ったりするのは良いけど!!一番は私だからね!!」


「いや、それは」


少し残念。


 「まぁ、とりあえず泊まっていきなよ」


「でも、生活費もありますし」


「それは私が出すから良いよ」


「ありがたいですけど、本当にそこまで迷惑は」


「なら、いつか返す、それで良い??」


「いや、返せるか分からないですし」


「でもぉ、」


「もう仕方ないなぁ、ホーム、もふもふしてあげて」


「ワン!!」


私のところにホームちゃんがやって来てのっかる。

 

 「どう?この誘惑には勝てないでしょ」


「・・・っ」


「それに、ホームはあなたの恩人よ。ここで常識とか、迷惑とか考えて、ホームを寂しくさせてもいいの?」


「・・・っ、分かりました。」


「やったー、これで楽しくなるね、ホーム」


「わんわん」


しっぽをホームは激しく振っている。


 そして、女の人もすごく喜んでくれている。


 本当に良い人達に拾われたな。


 「そういえば名前言ってなかったよね。私、由香里よろしくね」


「はい!!梅です。こちらこそよろしくお願いします」


その日、梅は由香里が用意した布団で寝ずに初めての優しさが心にずっと残って寝ずに泣いていた。


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