第74話 経験の違いに気付く。
「センパイ~~知ってますか? 時間は有限なんですよ?(きゅるん)」
「何が『きゅるん』よ! なにかわい子ぶってんの! 知ってるわよ、そんなこと。あんたと無駄話してる間に刻々と時間が過ぎ去ってくことくらい‼」
「なら、話が早くて大助かり~~善は急げですよ、センパイ~~私出ます、センパイも出ないとでしょ?」
「はぁ? いや、今回交代枠なしだから! ってか、そもそもあんたメンバー外だから出れないわよ!」
「そんな、もそもそ言わない! 川守出ていいって! やっぱ、男子って丸顔癒し系に弱いのね~~センパイも頼んでみたらどうです? 今ならスライディング土下座でなんとかなるんじゃないですか? その際には『出たい! 出たい! 川守~~
(えっ? 川守圭って意外にチョロいの?)
***
「
交代でピッチに入った
「大丈夫、川守の了承は得てる」
(了承って今のスライディング土下座よね、いやばっちり見てたけど……案外プライドないのね)
「
「
「
(あれ?
「
(いやいやいや、そもそも
カルロスこと、神崎
こうして
3人の内、三浦
三浦
センターサークル辺りではマンマークではなく、ゾーンでディフェンスする決まりごとになっていた。
超守備的布陣『リクリート』は自陣に引いて、ゴールにカギを掛ける、そんな感じだ。攻める側はそのカギをこじ開けないとゴールは生まれない。一見攻め側に一方的不利に見える布陣だが、実はそうでもない。
守る側は一方的に攻め続けられる。攻めるより守る方が消耗が激しい。それは体力的にと言うより精神的にだ。常に緊張状態を保つのは難しい。
そして今ピッチ内でボールを保持している三浦
中央に張る神崎
(うわっ、
神崎
ここまでは割とゆっくりとしたペースで押し上げていたが、
狙いどころは右サイドだ。
左サイドには『鬼の守備』渡辺
そこを崩す、それが狙いなのだが途中出場の
「激しくいっちゃダメだからね‼」
ディフェンスリーダーであり、キャプテンマークを付ける
好位置で
どうやれば好位置で
一瞬だった。隙を突いたとかじゃない。
そして経験が浅い右サイドのディフェンダーは、置き去りにされた
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