第66話 お説教かもと気付く。
「どうしたの、
圭は自分の部屋の前で立ち止まったままの
「あぁ……なんか
そう言って
『
(どういうことなのかな、圭ちゃんって
(なにが良妻賢母よ……こんなことも知らないで失格だぁ)
圭は
(あとでフォローしとくか……)
この時はその程度だった。
***
「おいおい、部屋の主がいない間に模様替えか」
朝慌ただしく部屋を出て以来だった。部屋には使わなくなった母親の小ぶりな机と椅子が持ち込まれ、圭の机に並べられていた。
「なによ、若いふたりが間違いを起こさないように、見張りを買って出てるってのに。それともなに?
「
「そうよ、知らなかったでしょ。私ら1年の時同じクラス。いわばマブダチよ。圭が女子サッカ―部でエロいことしたら筒抜けなんだからね?」
「そういや、さっき
「えっ……ヤバい。今の聞かれた⁇」
「
***
「つまりアレか? このデリカシーのないお姉さまは、オレの許可も得ずにオレの部屋を私物化した上に、オレが
「事故です」
「こっちは貰い事故だよ‼ ど~すんだよ、えっ? お姉さまがヤラかしたのにオレが被害被るの? 格差社会じゃない⁉」
「だいたい、だいたいよ! 元はあんたが悪くない?」
「はぁ⁉ オレは先輩に飲み物用意してただけです~! 玄関で
「違います~~そこじゃないです~~」
「なにそれ、ヤラかしといてその態度……」
「なによ!」
「なんだと~~!」
「あの……」
喧嘩上等なふたりに挟まれた
「私、居ていいんですか?」
申し訳なさそうに眉を『ピクピク』させる。しかし
「圭。いま
「ははっ、そんなことないですよね、先輩。運命共同体って言いますよね? 先輩もこの件に関して無関心ではいれませんよ?」
「で、でも……私状況わかんないし……」
「圭、聞いた? 状況わかったら協力してくれるんだって」
「さすが先輩! 頼れるピボーテ!」
(いや、ピボーテ関係なくない?)
そう、
***
「川守さんは、その……
「圭。
「えっ、聞きにくいですか? でも、今聞いた話をまとめると、そうなりませんか?」
「いや、嫌いじゃないよ。幼馴染だし……」
「川守さん、話ズレてます。私は『好きじゃないんですか』と聞きました。なにも『嫌いなの?』とは聞いてません。それに、いま言ってる『好き嫌い』は女子として、異性として『結婚相手として』どうなのってことです。幼馴染としてまで嫌いなら、壊滅的です」
「スミマセン」
固まる圭の腕を
(私、帰っていいかな)
「いいわけないでしょ、
答えたのは
少しの沈黙。そして圭は口を開いた。いま感じてること、思ってることを話した。
「無責任だけど、正直許嫁ってのがピーンと来てないんだ。確かに返事したのはオレ自身だし、その時はそれでいいかって思ってた。正直言って
「それは、仕方ないかもですけど…」
「うん。実際巻き込んでるし、
「何がですか?」
「ん……いや、サッカー出来なくても指導者の道がなくもないし、そう思えたら急になんて言うか抑えられない感情っていうか……だから、きっと
「そうね、あんたも
圭は首を振り「それは自分のせいだから」と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます