第40話 共学との格差に気付く。
「秋月。人のスマホで検索しない、なに調べてんの?」
キーパー
【ステディ】――『決まった特定の デートするただ1人の異性の交際相手を指した言葉』
【許嫁】――『婚約者。フィアンセ。幼少の時から双方の両親が婚約を結んだ関係。またその当人同士のことを指します』
「う、
「何言ってるの、こんなの普通よ(諸説あり)」
「あっ、すみません! そこの人。ちょっと、ツレに深呼吸させるんで黙ってて貰っていいですか? このままだと、過呼吸とか起こしたら大変なんで」
そんなダメージを食らった早乙女女学院をよそに
「大丈夫なの? 熱下がったの?」
「うん、ごめんね。心配掛けて」
「それはいいんだ。やっぱ、例のヤツだったんだ。めっちゃ身長伸びて、かわいいは卒業したね、もう美人さんだよ」
「そんなこと、まだまだ、
「あの、お取り込み中のところ悪いんだけど、吉沢。だれ?」
「えっ、妹と姉ですが? キャプテン」
「いや、吉沢さんは知ってる。同じクラスだから。妹さんなんだ……つまり吉沢は遺伝子と遺伝子の『狭間』に当たるのね。残念明日があるさ」
ちなみに姫乃は沙世に突っかからないと収まらない遺伝子があるらしい。まぁ、ピッチ外なのでこの辺りは
それに
「あ、
「そうなんだ、スゴイじゃない、相手全国第三位でしょ? パないじゃない!」
「おめでとう! 頑張ってたもんね、
「ありがと、でさ! 前半負けてたの!『3―0』で! でね、後半指揮を執ったのが――圭です!」
「えっ、そうなんだ……」
(しゃーねぇなぁ…)
それを察した圭は助け船を出す。不器用で負けず嫌いの年上の幼馴染にそっと手を差し伸べ、笑いに変える。
「
「えっ、マジ⁉ カルロスあんたサッカー出来たんだ……なんちゃって『11番』じゃないんだ。っていうか『カルロス呼び』解禁したの? 心境の変化? 悩みがあったら聞くわよ、有料だけど」
「もう! 解禁してない! あまちゃんのいい人がバラしたし! 心境の変化? いやいや、あまちゃんのいい人に追い込まれただけですけど、悩みはあるけど、有料なの? それでも親友なの? 親友って思ってるの私だけなの?」
「えっ、圭ちゃん。
「あの! すみません!川守って『泣きホクロの天使さま』のいい人なんですか⁉ いや、許嫁さんとかいるって、これ内緒な感じなんですか?」
「あの、田中先輩。食い付き過ぎ。つぎのメンバーから外しますよ?」
「はぅ⁉ 外す⁉ マジかよ、パワハラじゃね? ってか先輩って君さっきから言ってるけど同じ年だからね? えっ、なに? 老け顔とか言ってるならそれなりの制裁カマスわよ! 根拠言いなさいよ、根拠!」
「いや……同級生に有るまじき偉そうな態度かな……ほら、なんかすぐそうやって投げようとする! ちょっとはウチの
「川守圭。それイジれるほどアンタと仲良くないんだけど?」
「渡辺さん。そんな遠くからの独り言デカ過ぎです。独り言、ロングフィードし過ぎ。かまってちゃんですか?」
「ごめん。和気あいあいなとこ悪いんだけど、話戻していい? どうなの川守圭。茶化すってことはホントなの?」
「なんなの? それ答えないとなの? なんで見ず知らずの秋月相手にそんなこと答えなきゃなの? 大体言ったわよね、私、そうだって。それでよくない? なんで圭にそんなこと言わせんの。必要ないでしょ」
「『見ず知らずの秋月』って斬新よね、それでそのどういった……」
キーパー
「すみません、姉です。吉沢
「幼馴染で許嫁なわけなの?」
「はぅ⁉ け、圭ちゃん‼ ど、ど、ど、どうしたものかと! 個人情報の取り扱い!」
成長した
「そうですよ、かわいいでしょ?」
「け、圭ちゃん⁉ ば、ばかぁ…もう……(てれてれ)」
「あっ、すみません。川守くん。そういうの控えめにして貰っていいですか? こんな師走に受け入れてもらえる病院そんなにないんで」
早乙女女学院の選手何人かから魂が抜けかけていた。
「その…あなたは誰です。いや、吉沢さん『9番』のお姉さん、その川守圭の許嫁のお姉さんってのはわかりましたけど、なんか底抜けに偉そくない? いや、なんか、なんだろ、めちゃくちゃ鼻につく! しかも、なに?『泣きホクロの天使さま』とか呼ばせてるの? 自称? 痛いんですけど…」
「秋月。あの、吉沢さんの肩を持つわけじゃないけど、誰が自分のこと『泣きホクロの天使さま』なんて呼ばせる? 見てみ、普通に呼ばれそうな感じだろ、負けを認めろ」
「
早乙女女学院の死屍累々の上に立っているのは最早秋月蛍と
「そうですよ。だいたい合ってます。とはいえ、別に手術とかしないとでもないし、普通に生活も出来る。体育だってそこそこならやってます。ただ、フルで前半ももたないくらいのことです。そんな交代ありきの選手いらないでしょ。まぁ、そんな感じですね」
「ごめんね、この娘悪い子じゃないんだ。その…たぶん心配してだとは思う。だけど、デリカシーがないよね。うん、私が代わって謝る。あとでちゃんと説教しとくから」
「別に
「えっと…あのお姉さんが了承することでもないですよね……ははっ」
なぜか雨音と
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