第21話 初めての共同作業と気付く。
当たり前だが、
ただ、圭は
(着てるものって……
「えっと……圭ちゃん。洗濯物はお母さんに頼むけど?」
「ん……
「あ……そうなんだね、ははっ……(マジか……)」
(普通に返された。もう少し「ドキマギ」感あってもいいんじゃない? だって
そんな抗議をしたいものの、流石にそこまで体力は回復してない。ここは良妻賢母的に諦めも肝心だと割り切ることにした。
シャンプー類は圭の母親の物を使うといいと言われたが、圭の物らしきものを使った。
(あ……圭ちゃんの匂いがする。これって許嫁特権だよねぇ~~)
どうやら
(圭ちゃん。来ないよなぁ……上がっちゃうけどいいのかなぁ……)
マンガやラノベの影響なのか、こういう時必ず男子は浴室に来るものと思っていたが、一向に圭は来ない「ポロり」もタオル「ハラり」もなくていいのか。
(見る価値もないってことじゃないよね……ムっ、それは聞き捨てならないです!)
「きっと」から「たぶん」に変化したことに自信のなさが伺える。しかも「たぶん」を2度も言った。ドンマイ!
***
「圭ちゃん。上がったよ(ホクホク)」
リビングは
圭は
少しでも栄養が取れるように。
「食欲はどう?」
『うちの娘たちこの時期食欲旺盛になるから、よくなってる目安かも――ママより』
あくまで圭に「ママ」と呼ばせる気まんまんのようだ。
その「ママ」の言葉通り
食後に薬を飲み熱を測ると37度前半まで回復している。油断は出来ないが運がよければこのまま安定するかも。
圭は体温計を見て安堵の息をついた。
「ご心配お掛けしました(ぺこり)」圭は首を振る。安心した顔して。
「熱が上がったときはどうしようかと思った。まだ安心出来ないけど、食欲が戻ったなら少し安心だな。体力はまだだろうから無理しないこと」
「は~~い(旦那さま、ふふっ)」
圭はまだ半乾きの
ぐずった理由は「トランプしたい」だった。お泊まり会と勘違いするほど回復してきている。
その夜。
圭は寝ている
(なさそうだ……あっても微熱程度)
そのことを
『早く寝ろ。
『ありがとう。圭……なんか、ありがとう』
涙もろい
***
「圭ちゃん。なんかお腹すいた(ぐうぐう~~)」
そんな言葉で圭は目を覚ました。圭はスマホに目をやる。6時過ぎのことだった。
顔色から見て元気を取り戻したのは明らかだ。食欲も戻っていることからして大丈夫なんだろう。一応熱を測ってみる。
36度中盤。
元気を取り戻した
「ついにふたりは一線を越えてしまいましたか(しみじみ……)」
「いや、越えてませんが⁉」
圭は慌てて抗議する。確かに自分のベットに
「わかってますよ。そうじゃなくてですね、圭ちゃんと私。
「なにそれ?」
「いえ、ただ『未来の旦那様』は私の看病をしてくれて、洗濯とかもがんばってくれたりで、おまけに朝まで部屋にいてくれる優しい人だと、ちょっと
「『未来の旦那様』って……」
その身の動きひとつ取っても病人とは思えないほど回復している。
「だって、照れて言葉にしないなんてもったいないじゃないですか。私の『未来の旦那様』はこんなに優しい人だって世界中に知らせたいのですが……今はやめときます」
「えっと……」
「理由ですか? そうですね……下手に圭ちゃんのいいところをこれ以上知らせたら、あの『北見
初めての共同作業とも呼べる
しかし、他の女子に警戒を怠らないのが良妻賢母の心得だ。
(油断大敵と言いますし……)
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