第7話 目には目をだと気付く。
ささやかなクリスマス(イブ)パーティを圭の部屋でした翌朝。
彼女は受験生で昨夜は少し遅くまで頑張って受験勉強した。
彼女の姉ふたりと圭が通う『私立
それに、夜中まで頑張ったら心行くまでクリスマスを圭と過ごせるという思惑もある。
(起きたら連絡くれるって言ってたし……)
しっかり者の
因みに圭も
ふたり共学年で10位前後の成績を取っていた。努力家だ。
ついでながら長女
さて、ひょんな事からイメチェンを遂げた翌朝。学校はもう冬休み。
遅くまで受験勉強していたこともあり、
(まだ7時前なのに……ふふっ)
起きてすぐ連絡をくれるひとつ年上の幼馴染で許嫁が、かわいいやら愛おしいやらで思わずベットの中で「ローリング悶絶」をしてしまう。
(知らなかった……わたしこんなにも……圭ちゃん好きだったんだ)
「ごめん、朝早くに」
「ううん、いいの。おはよ、圭ちゃん。いい天気みたいね」
「そうだな、いい天気だ。ところで
「圭ちゃんのお願いならいつだっていいですよ(てれてれ)」
(本が好きだから圭ちゃんは本屋に寄りたいのかなぁ……?)
ふたりで並んで立つ本棚の前の景色を思い浮かべ「にんまり」とした。
「じゃあ、
「助ける……ですか?」
思いもしてない言葉が圭から伝えられる。
「ん……百聞は一見に
「外ですか?」
頭の上に「はてなマーク」を浮かべながら言われたとおり、
近くにあったカーディガンを羽織る。それでも軽く身震いする。クリスマスの朝。
朝の爽やかな日差しの中バルコニー越しで「おはよ」をするのだろうと「にんまり」するのを我慢しながら期待に胸膨らませる
(助けてって……なんだろ? 『手伝って』てことかなぁ……でも何を?)
小首を傾げて窓を後ろ手に閉める。目に飛び込んだのは……
「
「おはよ。
***
「
びっくり仰天の
そして現在
いくら力自慢とはいえ、男子をバルコニーで「逆さ宙吊り」にするのは行き過ぎだ。どんだけの力なのだ? 2階から地面に落ちることはないとは言え、十分な恐怖はある。
「だって、こいつが……悪いし」
正座のまま圭を引き寄せてヘッドロックして何発か頭を殴る。たまに
「
「だってこいつ悪いやつなんだって! 見てみ!」
「何これ?(ぽかん)」
そして女子が着ているのは見慣れたコート。
「えっと……これがなに?(なになに?)」
「学校の裏サイトに上がってた。圭の熱愛報道的な! ウチの
「ホントに酷いわ……(しみじみ)」
「だろ? もうこれは許嫁破棄だ! 破棄確定! いや、許嫁詐欺で懲役5年確定!」
「圭ちゃん。ごめんなさい。実の妹の顔がわからない酷い姉で……本当に、申し訳ありませんでした(ぺこりん)」
「えっ⁉ どういうこと⁇ まさか
「伝わんないよ、
火を見るよりも明らかという言葉がある。この圭の部屋という限られた空間では、力に関しては
そして
見慣れた風景である。ここにいる誰もが幼い日から見てきた風景。
それを
しかし、今日は違った。
漫画なら
「ど……どうしたの、
「お姉さま。よく見て。これ私のコート。つまり私なのこの
「えっ⁉ でもあんた……」
「はい。地味な妹の麻莉亜ですが?(キリッ!)」
「ちょ、ちょっと待って!
『良妻賢母』の
良妻賢母はやるときはやる女子なのだ! 掛かってこいや、えいえいおー!
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