第4話 不謹慎だと気付く。
「正直者は馬鹿を見るってあるじゃないですか」
「ははっ、オレのことだろ?」
「はい。でも私の場合『正直者は得をする』ですよ。テストには出ませんが覚えてください。私の『トリセツ』ですから。フフッ(圭ちゃんかわいい……)」
圭に『かわいい』と言われて動揺した心がようやく落ち着いた。
圭的には『かわいい』から『ちゃん付け』しているというなら、そこは素直にうれしい。見た目どおり
(子供扱いされているって思ってた……やっぱ、圭ちゃんは圭ちゃんだ!)
些細なことでも
確かに圭は
自分より年下で女子で幼さが残る
そのことが
「私、地味ですよね!(知らないかも知れませんが!)」
あっ……自覚あったんだ。
しかも、眼鏡がそこはかとなく野暮ったい。ピンクのフレームがなんとも子供っぽい。いや、圭としては
当然
「そんなことないよ」
幼馴染とはいえ、それほど絡みのなかった
しかし意外にも
(さっき『正直者は得をする』って言ったばっかりなのに~~わたし地味だもん~~自覚あるもん~~圭ちゃんなんか、ぷいっだ!)
それと、もしかしたら気を使われているかもと思うと、ほんの少し自尊心が傷付いた。だけど、圭の言葉全部が気を使ったり
眼鏡を外しコンタクトになり、髪をほどいた
「う〜〜ん、そうだ! 客観視するためにさっきの写真を見ましょう。自撮りした」
そう言って通りに面した公園の入り口に立ち止まる。手招きされるまま近づくと不意に
圭はまるで心臓を
「ほら、圭ちゃん。見てください(ちょいちょい)」
さっき撮ったばかりの自撮りの写真を突き付け、再びぷっくりと膨れる。
「どうですか、思ったことちゃんと言ってください。今度同じこと言ったら私怒りますから(ジト目)」
圭は生まれて今まで
男は外に七人の敵がいるという。少しくらい腹が立ったからと言ってもスマイルがモットーな
いや、怒るんだと本気で驚いた。それくらい
「ん……地味というか……」
「はい。思ったことちゃんと言ってください(ドキドキ)」
「妹……かな? 妹とお兄ちゃんって感じ」
恐る恐る行った言葉にこれまた意外にも、
どうやら笑いのツボに入ったらしい。
(こんな笑い方するんだぁ)
思えば
笑う
***
「あの、圭ちゃん。私聞いちゃったんだ(すん)」
「あの日ね、ほらお父さんたち飲み会してたでしょ、ウチで」
『少子化対策ご近所会議』は
「圭ちゃん来たの見たんだなぁ……内容もちょっと聞こえちゃってて」
「聞いてたんだ」
「うん、ごめん。立ち聞き。趣味悪いよね……ごめんなさい(ペコリ)」
自虐的に笑う
「あのね、私地味じゃないですか」
上目遣いで圭を伺う。自分の顔が真っ赤になってるのを感じながら。
「うん」
ひとつ忠告するとこんな時は『うん』じゃない『そんなことないよ』がオススメだ。
「もう! そうなんだけど! 圭ちゃん、デリカシー‼」
ほら……
圭は心の底から『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます