ガラスの雨
ザリザリ……。
ザリザリ……。
ザラついた音を立てて、ガラスの雨が降っていた。
そして、ため息を
「
そこにいるのは、
ロボットを数に入れるならば、ここにいるのは2人きり。
寝たきりの人間と、一体のロボットだ。
「空を……見ていた」
「空?
言われて、
「だって、ここには空しかないから……」
大きな戦争が起こって、雨が降った。
シェルターに逃げ込んだ者。
逃げ遅れた者。
けれど、雨はシェルターさえすり抜けて、
「食べ物、探シテ来ルヨ」
ロボットは
ロボットが作られたのは50年前。
避難民を助ける
けれど、製造から長い年月が経ち過ぎた。
雨に
「うん。待ってる」
シェルターの食料はもう尽きた。
この広い空のどこかに、他に生きている人はいるのだろうか。
いつか会う事が出来るのだろうか。
そんな願いを込めて。
けれど、
「もう、疲れた」
「タダイマ」
ロボットが食料を持って帰ってくると、
ロボットは、
「コレデ1週間ハモツト思ウヨ」
ロボットは袋から缶詰を取り出す。
「
ロボットは缶詰の
「マダ寝テル?」
ザリザリ……。
ザリザリ……。
ザラついた音を立てて、ガラスの雨が降っていた。
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