第四話
次の日の朝。
「昨日はよく眠れたか?」
朝帰りのおじいちゃんがそういった。
「うん。やっぱ実家はいいもんだわ。おじいちゃんも、疲れてない?」
「いやぁ、さすがに30時間も起きていると、じじいには堪えるな」
はっはっは、とおじいちゃんはいつもの笑顔を見せて、装束を解く。
「今回も厳しい戦いだったが、まあ、なんとかなった。そして、家に帰ったら孫娘の顔が見れた。嬉しさも一入だよ」
「ありがと。そういってくれると、おじいちゃんの孫娘になれてホントによかったって思う」
「さ、じじいはもう寝ることにするよ。ばあさんにはよろしくいっておいてくれ」
少し息を吐いて、おじいちゃんは寝室へ向かう。
「じゃ、私は出かけてくるから」
「ああ、気をつけてな」
おじいちゃんは手をひらひらさせて、寝室へ消えていった。
「良き人よ。お出かけですか?」
寝起きの思春様がそうきいてくる。
「うん、今日近くのスーパーで特売やってるらしいから」
「そういうのは、私に任せてくればよいのに。おばあ様やおじい様と積もる話もあるでしょう」
「それは思春様だって同じでしょ?大丈夫、一時間もあれば帰ってこれるから。その間に、思春様がおばあちゃんと話をしててよ。帰ったら、私も混ざるから」
じゃ、と思春様の制止を振り切って、私は家を出た。なんかさ、私の家の人みんな過保護じゃね?私、あんまりしっかりしてないと思われてるのかなぁ。
だったら、しっかりしてるとこ見せないとね。買い物くらい、一人でできるもん。
私は意気揚々と、スーパーへ向かう。
そのはずだった。
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