第11話 部屋に行きたいなんて、海外では普通ですよ?

「アリスは、海外に居る時は友達とか居たのか?」


 昼休み、二人でお弁当を食べている時にふと聞いてみた。

 アリスが転入してきてからというもの、学校生活を見ている感じ俺以外とはほとんど関わっていないように思ったから少し気になったからだ。


「友達…友達と呼んで良いのかは不明ですが、一応周りに常に人は居ました」


「そうなのか、特に仲が良かった人とかは?」


「…仲が良い、と表現して良いのかはわかりませんが、常に私のことをライバル視してくる方は居ました」


 確かにこんなに美人で欠点が無さそうな人が近くに居たらライバル視する人が居ても不思議ではない。


「時々娯楽としてその方と遊んだりすることもありましたが、今では一度も私が負けることなくこちらにやって来ることになってなんの惜しみもなく望宮さんに集中することができます」


「できればその情熱を俺以外に注いでみても良いと思う、アリスならもっとすごい人とでも愛を育める」


「女の勘、と言う言葉もあるように私は直感的に私の運命の方となるお相手は望宮さんしか居ないという風に確信しています」


 女の勘と言い出されると俺には全く反論することができない。


「そういえば、そろそろ学年上がり初の試験があるけど、アリスは勉強とか得意なのか?」


 この前勉強はこれ以上必要ないと言っていたため不要な質問だとは思うが、一応聞いてみることにした。


「はい、全て問題無いと思います、日本史という科目だけは去年から急いでの勉強だったのでもしかすると満点は厳しいかもしれませんが、95点以上は必ず取れます」


「おお、すごいな」


「望宮さんは、勉学の方はお得意なんですか?」


「数学とか答えが決まってるのは公式を頭に入れればテストでは解けるから問題無いけど、歴史がたまに時間軸がごちゃごちゃになったりして苦手だ」


「でしたら!私が歴史をお教え差し上げます!」


「え…?」


 勉強を教えてもらえる機会なんて滅多に無いから、それはとてもありがたいことだ。


「良いのか…?」


「もちろんです!これからは定期的に私と共に勉強会を開きましょう!」


 勉強会…か、そういう高校生らしいことは一年生の間は全くしてなかったし、そういうのも楽しそうだ。


「あぁ、そうしよう」


「ありがとうございます!」


 こうして、俺たちはこれから定期的に勉強会を開くことが決定した。


「望宮さんも、自然と私に興味を持ってくださるようになりましたね」


「あ…そう、だな」


「望宮さんのお家に興味があります、正確には部屋にです」


「え…俺の部屋で勉強したいってことか?」


「はい、好きな殿方の部屋に行きたいのなんて、?」


 アリスはあっさりと言った。

 …それはそうなのかもしれないが。

 突然すぎるだろ!!この距離の詰め方が海外では普通ってことなのか!?

 …でも断ったら何かやましいことがあるみたいな雰囲気だったため、俺はそれを承諾することにした。

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