第334.5話 閑話⑧『秋名梓』

 隆之のクラスメイト。

 本作三人目の登場人物で、一番考えなしに登場させたキャラクター。


 隆之が見た目と中身にギャップがあると言い続けているが、もともとは文学少女みたいな感じのキャラクターになる予定だったので見た目と中身にギャップができてしまった。

 なんでこうなったのだろう。


 結果的にいろんなシーンで隆之と陽菜乃をサポートする影の立役者になってくれた。


 物語の中で隆之の過去を一番最初に知ったのは秋名だが、あれは全然予定になかった展開。

 二人をからかいながらも応援している秋名は、誰に言うこともなく隆之の背中をそっと押してくれた。

 

 物語序盤から最後まで、隆之が唯一女子の中で最初から呼び捨てにしていた相手。

 間違いなく、家族である梨子を除いて隆之が最も気を抜いて話している相手。


 *


 作中、隆之以外にも陽菜乃やくるみ、梨子と視点を変えて物語を進めることがあったけれど、秋名に視点を置かなかったのは最後まで、彼女が本当のところ隆之をどう思っていたのかも含めて、彼女の思考を見えないようにしたかったから。

 自分のいる環境の中でことを第一に考えているので、本音を語ることはあまりない。なので最後まで本音を隠すために彼女の視点は描かなかった。

 一緒の時間を過ごすうち、陽菜乃や隆之は自分の素を見せることができる数少ない友達になった。


 秋名の過去はもう少ししっかりとエピソードとして描きたかったけどタイミングがなかったので、修学旅行編の中で彼女の口から語ることになった。

 サポート役に徹した彼女のメインシナリオがほとんどなかったのが心残りである。

 

 作中で怖いものは苦手と認めているが、頑張ればいけるくらいの感じで話していたけど、本当は陽菜乃と同じくらいに怖いものが苦手。

 修学旅行一日目のお化け屋敷は、隆之と秋名をペアにするという案もあったけど、告白を前にしたイベントなのでここは陽菜乃かってなって断念。


 ちなみに。


 隆之と陽菜乃が告白をする際に一時的に人がいなくなったのは、二人きりにしてあげようと秋名が頑張って時間を稼いでいたから。

 なので、告白シーンを見ていないという彼女の発言は真実である。

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