第328.5話 閑話②『志摩梨子』
隆之の妹。
当初の予定では章終わりの息抜き回で登場するだけのつもりだったけど、結構早い段階で本編に出てきた。
本当はもうちょっとツンツンしているキャラクターの予定だった。けど、登場する度にデレが顔を出し、後半はお兄大好きな気持ちが漏れ出るを通り越して溢れ出てしまっていた。
サンタクロースが実在すると信じるほどにピュアな心を持っている。学校ではそんな一面に加えて計算された女の子らしい振る舞いをするため、男子から人気がある。
恋愛に興味がないわけではないけど、好きだと思える相手が現れないので彼氏はいない。
自分のいる環境が変わらなければいいのに、と願っている。
隆之に彼女ができることは望んでいなかったが、陽菜乃と偶然会い、人柄を知ってからは二人を応援していた。
*
梨子の登場回は総じてどれもお気に入りではあるのだけれど、中でもクリスマスの『思い出のプレゼント』は良い感じのブラコン回にできたなと思っている。
最後にコンビニに行きたがったのは貰ったプレゼントをとにかく使いたかったから。
雪見だいふくを半分欲しがったのは子供の頃によく二人で分け合っていて、それをふと思い出したから。そのシーンを書くと回想ばかりになるので挿入を断念した。
本編前半では隆之が素で話せる相手かつ相談相手の役割を担ってくれた。物語が後半になる頃には書いていて一番楽しいキャラクターにまで成長した。
本当はもう少し梨子関連のエピソードを書きたかった。
ちなみに。
梨子は学校では隆之のことを『兄さん』と呼び、無意識だが結構話題の中に登場させている。
『兄さんってばしょうがないんだよ』みたいな感じで話し始めて愚痴のようなことを吐くけど、顔が楽しそうなので友達はお兄ちゃんのこと大好きなんだなと察している、という設定があるが書く機会がなかった。
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