第4話 ザ・メニュー(2022年製作/107分/R15+/アメリカ)

  宮沢賢治「注文の多い料理店」現代版

孤島にある世界的に有名なレストランが舞台。

シェフはいわゆるカリスマであり、業界では「神」と崇められる存在。

今回、そこに招待された11人の客は、一人を除いて、世界的に有名な料理評論家や俳優やセレブ、シリコンバレーで成功した金持ちといった人間ばかり。

・・・。

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結論から言えば、この映画とは「コロナ騒ぎ」に象徴された(地球規模での)現代社会をモチーフにしている、という(恐ろしい)面白さがある。

そのポイントは以下の通り。

① たった一人のシェフ(独裁者)によって、すべての料理人たち(世界中の大統領や首相という指導者たち)がコントロールされている。彼らはまるで脳内にマイクロチップでも埋め込まれ、何事も「シェフ」の言う通りに動く機械のようだ。

  シェフが両手で「パン !」と叩くと、すべての料理人が「イェッサー !」と唱和する。まるで、70年前の「天皇の軍隊」並み。

② シェフの手足となって客たちを指導・誘導・教化し、この晩餐会の進行係的存在である女性は「アジア人」風。

③ このシェフは、前の経営者を排除して自分がこのレストラン(島)の支配者になった。どんな手段を使ったかわからないが、「レストラン」の支配者(オーナー)は交代したのだろうか。(それとも、日本の支配者は「天皇」ではなく「首相」に変更になりました、というメッセージなのか。)


④ 現在のシェフは、この世であらゆる栄光・栄誉を受け、絶対的な権威と権限を行使してきている。もはやこの世に未練などない。「恐ろしいほど」好きなことをやってきたのだから。

⑤ この島では、誰もこのシェフに逆らうどころか疑問を持つ者さえいない。

世界中の政治家や官僚・インテリ・専門家といった各持ち場の権力者(料理人)たちは、まるで夢遊病者か催眠術にかかった者のようにして、シェフの指示に従う。

フルコースの途中から疑問を持ち始め客たちも、次々と繰り出される恐怖料理(体験)によって次第に飼いならされ、料理人たちと同じ(絶対服従という)神経回路になっていく。現代社会の9割の人間がそうであるように、彼らの目には、現実ではなく「仮想現実」しか見えていないかのようだ。

  現実を見れるのは、変態的なプレーを要求する大金持ちの男性、といった人間の赤裸々な生態を知る売春婦だけ。彼女だけは神のようなシェフに対して「それって、おかしいんじゃない ?」と反抗した。

⑥ 米映画「ハンニバル」(2001年 米・英・伊合作)で、レクター博士によって脳みその一部を切り取られた(食べられた)、主人公クラリス捜査官の同僚男性と、この映画「ザ・メニュー」における女主人公の恋人役は、「ご主人様」の言うことを何でも聞くという点で、非常によく似た雰囲気です。

 ⑦ この映画が公開されたのは2022年とは、コロナ騒動真っ盛りの時でした。

この時期、たった一人のシェフ(支配者)の指示を受けた各国の料理人(各国指導者・専門家)の提供する料理(知識・常識)を、世界中の人間が受け入れた。

それに対して疑問を持つ者は「このレストランに似つかわしくない」と宣告された。

 → アフリカのある国(5ヵ国)の「似つかわしくない」5人の国家元首たちは、短期間に全員死亡した。彼らは、パパイアやガソリンをPCR検査にかけると「陽性」になることから、コロナどころかその検査方法自体も否定したのです。


 → ベラルーシのルカシェンコ大統領は、外国のテレビの取材に対し「君たちはコロナの菌を実際に見たのか ?」「本当にコロナだけが原因で死亡した人間がいるのか ?」という、極めて素朴で根本的、且つ重要な質問をした。以後、この大統領は「ヨーロッパ最後の独裁者」という悪名が世界中のマスコミで吹聴され、暗殺予告までされた。

⑧ このシェフと同じ運命に引き込まれるのは「お客」ばかりではない。彼の手下となって「何でもやる」料理人や使用人(政治家・専門家・各国の公務員たち)全員である。

⑨ たった一人「売春」を職業にしている女性客のみが、この孤島へ船で到着した時から「違和感」を感じ、最後のステージで自分を主張できたが故に一人だけ「救われた」。

現在の「中国やロシア、インドやブラジル、アフリカ、南米」に象徴される、物事の素を見れる・真理を追及することの「できる」人たちのみが、「シェフたち」と違う運命になるというのか。

因みに、2000年前のイスラエルというレストランで、たった一人「正しいお客」となり得ない、と宣告された男は排除されましたが、独り彼を支持したのはマグダラのマリアという売春婦でした。命が奪われたこの男はしかし、その名誉は2000年後の今も生きています。

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今や世界は、40年前に日本の漫才師が言った「赤信号みんなで渡れば怖くない」状態。もしくは「茹で蛙は、最後まで自分の置かれた状況を理解できないまま死んでいく」。

これから先、世界がどんなストーリーを辿り、この映画のような結末を迎えるのだろうか。

私自身「LED 使い切るまでない寿命」なので、それを見ることはできませんが、「売春婦」という、人間の素の姿(本物・真実)を見れる人間(しかし、その客の醜い真実の姿に自分は染まらない)だけが、その時、違う世界に行けるだろう、というのがこの映画製作者の思いなのでしょうか。「違う世界」が、その人にとって幸いなのかは知る由もないのですが。

<参考>

宮沢賢治「注文の多い料理店」(青空文庫で読めます)とは、明治期の日本政府のことを描いています。

本来、大切なお客である日本国民が、料理店という国家(政治家・警察等の公務員の支配する世界)では、四六時中監視され、「ああしろ、こうしろ」と命令・強制され、身ぐるみはがされるほど搾取され、最後は身体まで食べられてしまう(戦争に行かされて殺される、冤罪で殺される、税金を搾取されて殺される、警察署の中で殺される)。

「産めよ増やせよ陛下のように、下手な鉄砲も数(かず)撃ちゃ当たる」という川柳は、戦時下(昭和12(1937)年~20(1945)年)の日本で、東京のある公衆便所に書かれた落書きだそうです。当時の公安警察官たちが記録した、日本の大衆の本音を集めた本から。『戦前不敬発言大全』(2019年・パブリブ刊)

日本というレストランのオーナーも料理人たちも、全員百済出身者という図式は、明治維新以来、2023年の今でも変わらない。

 → 天皇が百済出身というのは、数年前に大前研一という著名な評論家の言として朝日新聞に掲載された記事に因るのですが、何のことはない「日本書紀」に書かれていることなんだそうです。


  彼らの「下手な鉄砲」という愚政策・愚指導によって「太平洋戦争終結時の悪夢(元気な日本人の若い男性が全員死に、無傷で生き残った在日韓国人が日本中を席巻する)」が、再び繰り返されるのは間違いない。

(ラストで)日本を炎上させる「シェフ」とは、太平洋戦争の時と同じで、天皇と首相のコンビなのでしょうか。

<参考> リーダー不在の日本

https://kakuyomu.jp/my/works/16817330655356451695


2023年4月2日

V.2.1

  2023年4月5日

  V.3.1

平栗雅人

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