第4話


  8月の半ば、電車をおりると熱気の中だ、やはりこの町は暑い、時々暑さの日本一になるだけに半端ない暑さだ、しかし、東京からくると極端に人が少なくなるので東京とは違う暑さだ、東京の暑さはひとの熱気も加わり肌にまとわりついてくる暑さだ。

  駅を出て広場に差し掛かると芳夫の母親が僕の前を横切ろうとしていた。

彼女は僕に気づいたらしく「まあ、J君じゃない」と呼び掛けてきた、僕もおもわず大きな声で「ご無沙汰しております」すると彼女は涙目で僕の顔をじっと「じつは芳夫が亡くなったのよ」「えー」僕は悲鳴にも似た声を発してしまった。彼女は「もし時間があったらお線香だけでも」「もちろん、」僕はこのまま彼女についていくことにした。10分くらい歩くと芳夫の家に着いた、懐かしい引き戸を開けるとまだ芳夫の登山靴らしき靴が並んでいた。僕は一言いい仏間に上がり込んだ、大きな芳夫の写真が飾ってあった、日焼けした顔が微笑みかけていた。2たび信じられない思いで、僕は「どうして」と、

彼女は涙声でこたえた.「実は信じられない病気で亡くなったの、甲状せんがんだったのよね」彼女は続けた「それから芳夫がなくなってから間もなくため池の近くの農家の人が3人もなくなったの、それがね白血病らしいのね、家族の方もなぜか腑に落ちなさそうだったの、」 僕はあまり聞いたことのない病名にただ溜息で頷くだけだった。

 僕は足早に実家に帰ると家族とはろくな会話もせずにエアコンをつけ横になった、言いようのない疲労が眠りを誘った。


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