第4話 男であっても、パンツにこだわるぜ!
昨日、柏木先生と『胸の大きさと形』について少し話した。
見た目は真面目そうな先生なのに、下ネタ? もイケるなんてな。
担任と気軽に話せるようになれば、何かと便利だろうしこれからも続けよう。
放課後。先生が職員室に戻ったであろうタイミングまで教室で待機したから向かう。万が一を考えて、2人一緒に行動しているのを観られないようにしないと。
ノックをしてから職員室の扉を開け、中に入る俺。…今日も柏木先生以外の先生はいないな。確認後、すぐ柏木先生のデスクに向かう。
「この時間って、先生以外誰もいないんですね」
3日連続なんて、偶然じゃないだろ。
「私は帰りのホームルームを短くしてるからね。担任を受け持っている先生はまだ教室にいるでしょうし、他の先生もあちこち飛び回っている時間帯なのよ」
「そうなんですか…」
先生なのに、学校以外で何かすることが多いのか…。
「こういう話を続けても良いけど、坂口君は物足りないでしょ? 君のエロ話、聴かせてちょうだい」
今日は何を話そうかな…?
「今日の体育の着替えの時なんですけど、田中がキャラに合わない派手なパンツを穿いてましてね。平沢にからかわれてました」
「それ、からかいで済んだの?」
柏木先生は心配そうな顔をしている。
「大丈夫だと思いますよ。田中の奴、気にしてる感じじゃなかったし。平沢も少し触れた程度なので、シリアスな空気にはなりませんでした」
「そう…。なら、良かったわ」
先生だし、イジメを気にしてるのかな?
「確証はないけど、田中君が普段穿かないようなパンツを穿いていたのは“勝負下着”になるのかしら?」
「多分そうだと思います。きっと彼女に見せるんでしょう」
単なるイメチェンの可能性もあるけど…。
「…男子にも“勝負下着”という概念があるのね」
先生は考え込む仕草をする。
「女子はよくやりますよね? 先生は女子校出身だし、結構見てるでしょ?」
本人曰く、中高一貫だそうだ。中学は厳しいかもしれないが、高校はよくあるイメージがある。
「そうね。一部のクラスメートが、透けることなんてお構いなしのブラをしていたわ。“勝負下着”って異性に見せるもの前提だから、同性が見ると複雑よね…」
「それ…わかります」
『お目当ての相手がいる』というアピールだからな。
いない人から見れば、劣等感を抱きやすいものだ。
…もう他の先生が戻ってきた。まだまだ話足りないな。
「今日はここまでみたいね。坂口君と話すと、あっという間だわ」
「俺もです。もっと話したいですよ」
「私達は教師と生徒だし、これぐらいで良いかもしれないけど」
本当にそうだろうか? 高校内だから立場を気にしないといけないだけで、外であれば関係ないよな…?
「…とりあえず、俺は帰ります」
「気を付けて帰るのよ」
俺は足早に職員室の扉に向かい、挨拶してから部屋を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます