第4話 終結
第二次日露戦争は日本側の勝利に終わった。
その要因に西側諸国のロシア侵攻があった。
西側諸国はロシアの度重なるウクライナへの軍事行動を受け、危機感を覚えていた。
ウクライナの次は自分達の国だ。
そういう思いを西側諸国の国々は抱えていた。
西側諸国はロシアは必ずまた軍事行動を起こしてくる。
そういった不安を抱えていた西側諸国は対ロシアの為の会議を開いた。
そして、とある国がこう発言した。
このままでは一方的に侵攻されるのみだ。
ならば逆にこちらから攻め込んでやろう。
と。
ヨーロッパ諸国は2度の大戦から戦争を起こさないように努力してきた。
が、それをロシアが脅かしてくる。
ならば、やられる前にやろうと言ったのだ。
勿論最初はその発言は無視された。
が、時をかけて会議を重ねるにつれ、ロシアが侵攻してくるという噂が広まってきたのだ。
防戦では自国に被害が出る。
これ以上自国民に被害を出させる訳には行かないと、各国は決意を決めた。
満を持して西側諸国はロシアへと侵攻を開始。
当初はウクライナの領土奪還を掲げた物だった。
が、奪還に成功するとそのままロシア領内へと侵攻。
アジアへと戦力を集中させていたロシアは各地で敗走を重ねた。
敗因はアジアへと気を取られていたというのが大きいが、それ以外にも西側諸国の士気の高さがあった。
西側諸国の連合軍の勢いは凄まじく、瞬く間にモスクワへ到達。
それと時を同じくして日露戦争は終結。
アジアへと派遣されていたロシア軍はモスクワへと戻ってきた。
モスクワにおいて激しい戦闘が行われ、両軍共に多数の死傷者を出した。
が、次第にロシア軍は劣勢になり、ロシア軍は戦力がまだあるうちに撤退。
戦力の温存に成功したロシアは首都を中国に近いノヴォシビルスクへと移し徹底抗戦を掲げた。
が、ロシアの国民が反戦運動を激化。
相次ぐテロやデモ行為によりロシア軍はまともに軍事行動が出来ずにいた。
軍部にもクーデターを起こそうとするものが出る等、国としてもはや成り立ってはいなかった。
そして、ロシアに未来は無いと見た中国はロシアとの関係を断ち切り、戦後の関係を考えて台湾から撤退。
アメリカ、台湾と講話した。
ロシアへと宣戦を布告し西側諸国と共にロシアへと侵攻を開始した。
ロシア首脳部は核の使用を命令。
どうせ滅ぶなら他の国も道連れにしてやろうという魂胆だった。
が、結局核は発射されなかった。
核を扱う部署が命令を無視し独断で発射しなかったのだ。
これにより、核は使われずロシアは滅んだ。
台湾について、中国は台湾の独立を認め、国交を正常に結び、アメリカとも講和。
ここに戦争は終結した。
中国は講話条約により軍縮を約束され、中国国内の数カ所に国連軍の駐屯を約束させた。
これは中国国内の民族問題等に介入するためであった。
中国は政治的思想からも孤立していたが後に革命が勃発。
中国大陸から共産党は姿を消し、中国国民党が約100年ぶりに中国大陸へと戻り、資本主義国家となるのであった。
ロシアは領土の大半を喪失。
ロシアの領土はウラル山脈より東となった。
国力が大きく減ったロシアと西側諸国との間に深い遺恨を残すことになったが、孤立したロシアに協力する者は居らず長い年月をかけて西側諸国と融和していくこととなる。
これにより、3度の大戦を経てようやく地球に平穏が訪れるのであった。
逆に言えば3度の大戦を繰り返さなければ人間は平和を謳歌することは出来なかったのだった。
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