第48話 お風呂
「よし! とりあえずお風呂入ろっか。リフレッシュするためにも」
荷物を置き、ジャケットを掛けるとお風呂場の方へ向かう。
「うわ、いかにもラブホって感じだなここ」
ドアを開けると、ガラス張りの浴室の中に2人は余裕で入れるであろうジャグジー。洗面台にはアメニティーがこれでもかとあり、タオルバスローブまで丁寧に用意されてある。
「よくAⅤで見るやつだね」
と、天野はお湯を溜めながらも辺りを観察しながら頷く。
「どっちかというと個撮でよく見るやつだな」
「だね。エッチだ」
「エッチな場所だからな、ここは」
「お風呂エッチとかめっちゃ憧れてたんだよねぇぇ~。武道館より憧れてたんだけどぉ~!」
キラキラとした目をする天野に、
「いや、それはないだろ」
「いやいや! 全然大きい所でするライブよりもラブホでお風呂エッチの方が憧れが強かったよ私は」
「んな変なことに憧れなんて持たんでいいわ」
どんな所に憧れを持ってるんだよ。アイドルだったら大きい会場でライブを成功させる方にあこがれを持てよ。
ラブホなんて暇さえあればいつでも入れるんだからな。
「ていうことで、ますは服を脱ぎましょう」
早速、天野は着ているスウェットを脱ぎ始める。
「相変わらず雰囲気がないことで」
ため息を吐きながらも、俺も自分の服に手を伸ばす。
横で鏡で髪型をチェックしながら、せっせと服を脱ぐ天野。
黒レースの下着……なんだこの破壊力。
白い肌と相まってさらに胸が強調されてエロい。
ラブホの雰囲気もあるからなのか、いつもの100倍エロく感じる。
体にタオルを巻き、下着を脱ぐと、
「ほら、行こ?」
手を差し出し、小首を傾げる。
体のラインがくっきりと表れるバスタオル姿。エッチだ。
「お、おう」
見惚れながらも、俺は天野の後を付いて行く。
「見て! 泡風呂になるんだけどこれすご! しかもライブ会場みたいに光るんだけどすご~これ!」
ジャグジーに浸かり、隅にあるボタンを操作しながら興奮する。まるで初めて見るおもちゃを見てはしゃぐ子供だな。
「ラブホって、こうゆう所凝ってておもしろいよな~」
ジャグジーにもたれかかりながら言う俺に、
「あとは、こうやって密着できるように出来てるしね」
俺の股の間に体を入れ、背中をくっつけてくる天野。
「まぁ、そうゆう事する為の所だしなここは」
「ホント、人間はいい場所を作ったもんだよね~。関心関心」
「エッチする為だけの施設を作ろうなんて普通思わないもんな。考えた人はド淫乱だ」
「でも、その人のおかげでこうして私達は密着してるんだから感謝しないとだよ」
「ありがとうラブホを考えた人」
と、俺はそっと手を合わせてお礼するのであった。
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