12話:ししょ~って呼んでもいいですか??
よく分からない修羅場を見た梓は翌日、取り敢えず休学復帰の準備のためにいろいろなチェックをした。
「あっ。櫛がない。」
梓は、手持ちの櫛を買いに一人外に出たのだった。そんな歩いている中、梓は少し引っ掛かりがあった。
「それにしても、櫛なんて買い忘れることあるかね?確かに買ったはずなんだけどなぁ~?」
梓は首をかしげながら櫛の所在を改めて確認しているが、実はかなめが様々なことをしている。ということだけは作者から報告しておいてやろう。
ちなみに、梓の私物はここ最近いくつか無くなっているらしい。何でだろうか?(しらけ顔のかなめが一匹暗黒微笑を浮かべている。)
「おっ、あったあった。」
お団子頭にしている梓は、エオン内にある100円ショップで櫛を見つけて手に取ろうとした時だった。
「「あっ………。」」
梓のいる位置とは反対の方向から小さく健康的な白い肌の腕が伸びてくる。そして、触れ合った瞬間揃いも揃って口に出した言葉は"ごめんなさい"だった。
「あのっ、櫛買うんですか?」
「えっと………はい、そうですね。買おうか考えています。」
「そうなんですか!実は私も買おうと思ったたんですっ!!」
鼻から擬音が出そうなくらいに鼻息を荒くする彼女はどこか愛嬌があって可愛いと梓はどこか感じるとともにどこか、引っ掛かる部分も何かあった。
「でも、どうしましょう?ここには一本の櫛しかありません。」
「う~ん、そうだな。あっ、君が買えばいいよ。お…私はまた別の日に買いに行けばいいので………。」
「いえいえっ!そんなの良くありませんよっ!!私よりも先にお手に取ったじゃないですか!!」
「いいんだよ。別に私はすぐに必要なものってわけでもないし。」
「いやいやいや!!」
「いやいや。」
そんな「いやいやいや」と問答を繰り返している間に梓と白髪の少女に割って入った割とガタイの良い奥さんが手に取ってカゴに入れたため2人は同時い溜息を吐いて近くにあるベンチに座り込んだのだった。
梓は、白髪の少女を見た際に少しだけ違和感を覚えた。
(何か、この顔立ち見覚えがあるんだよなぁ~。)
梓は横目ながら幼げのある少女を眺めていると、彼女はそれに気づいて目を細めていた。
「あっ………。」
「あの、私の顔になんかついてますか?」
「いや付いてないよっ!!それよりもさ、君名前は?」
「知らない人には名前を聞かれても答えてはいけませんっ!!て言われてますので。」
「お、おぉう。ガードがお堅いようで。あっ、私は竹中梓っていうの。よろしくね。」
「えっ・・・。」
その時、白髪の少女は顔の表情がいきなり百面相を始めた。そこから、梓は彼女の前に手を振り振りと顔の前に通過させるが普通にしかとされたのだった。
「あの~。」
「はっ、す、すいません。あの?聞き直すのは失礼ですけど竹中梓さんで合ってますよ?」
「うん、そうだけど。あの、名前・・・。」
「あっ、すいません!!私は片倉わかばって言いますっ!!」
「よろしくね。」
「よ、よろしくお願いしますっ!!そ、それと梓さん!!」
名前を名乗っては突然わかばは梓に喰ってかかるかの勢いで顔を近づける。そうして、わかばは梓に向かっていきなり
「ししょう!!ってッ呼んでもいいんですか!?!?」
「・・・は?いやいや、ドユコト?」
突然の直訴に梓は戸惑いを隠せていなかった。
「まさか・・・梓くんに会えるとは。」
その日の夜、わかばは一人部屋で小さな男の子の写真を見てブツブツと独り言をつぶやいていた。
「でも、女の子になっちゃってたね。何があったんだろう?」
「わかば~ご飯よ~。」
「は~い。」
わかばは言われるままに下へ向かう。机の上に幼いころの梓の写真とおもちゃの指輪を横ならべに置いて。
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