小噺1:小さな蕾

一筋の光を見た時貴方はどのように想像するだろうか?希望を抱くのかそれとももう、これっぽちと思うのだろうか?




 命の灯が見え始めた私にとってはそれはとっくに絶望も希望も全てが無に等しくなっていった。




 唯一、私が今救われたなって思うのは一人の息子の成長だ。




 あんなに小さかった手で何周りか大きい私の掌に触れる温もりは温かく希望に満ち溢れていた。




 でも、もう別れないといけないのね。時間が足りなかったわ。




「もう少し、梓の成長が見たかったな・・・。」




 梓には聞こえない声である1人の女性は呟いた。それと同時に彼女の意識と体は熱を奪われていった。




 そして梓が15歳になったある日のことだった。




「・・・うそ、でしょ??)




彼女は呆然としたまま目を虚にしていた。そして。




「わたしは、今から人生二周目をするの?」




起きたらそこには私ではない体が鏡に写っていた。

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