7話 デート、前編(柊視点)

 レイと俺は今ショッピングをしている。手を繋いで。きっと先ほど俺がダサいところを見せてしまったので気遣うためだろう。先ほどの連中が学校が一緒だがあまり話さない。俺は基本的に学校ではコミュニケーションをとろうとはしない。それでも集まってきたりする男子や俺に恋愛感情をもたない女子とつるんでいる。先ほどの連中は俺が女子からの告白を断るといじってくるので印象は最悪だ。きっと月曜日彼らにいじられるだろう。


 「柊、大丈夫?」レイは俺の裾を引っ張って顔色をうかがう。心配してくれているのだろう。「うん、大丈夫だよ。」というと満面の笑みが返ってきた。


   〇


俺らは靴や服などをがある場所に入る。初めに見たのは靴だ。冬なのでブーツが多く並べられている。レイはヒールがあるブーツを見ていた。その商品を買うことにした。値段は3000円くらいだ。多分気遣ってくれているのだろう。


   〇


 次は服を見ることにした。こんどこそはもう少し高いものを買わせてあげたいと思う。


「なんか、ごめんね。服見ているけど安いのなかなかないや。」今どきの服はどれも高い。こんなペラと思うやつも普通に十万とかする。レイは、SHEINのニットや無印の安い服などを持ってくる。


「気遣わなくていいよ。」さっきから安いのばっかりもってくるのでいう。


「言葉だけ十分、ぜんぜんかわいいし。でもそんなに言うなら次はちょっと高いの買うから注意してね、いろんな意味で!!」

なんかやらかしたかもしれない。


   〇


そういってレイが俺を引っ張って連れてきたのは女性の下着が売っているお店だ。

「一緒に選ぼう、ひ・い・ら・ぎ」普通ここまでするかー。絶対に男が入ってはいけない店だ。


「嫌無理、お金渡すから買ってきていいよ。」


「選んでほしかったのに。」といい、頬を膨らませる。


   〇


 20分ぐらいだろうかレイが店から出てきた。


「かわいいのいっぱい買ったよ!!」


「よかったね、カフェあるから入らない?」そろそろレイもいろいろ見て疲れたと思うので提案する。


「うん、ソフトクリーム頼んでいい?」なんてかわいいお願いなのだろう。


「もちろんいいよ。」お互いに違うソフトクリームを買う。レイが俺のアイスをじろじろ見る。


「・・・食う?」


「食べるっ」


さっきまでは、俺が下着を一緒に選んでくれないので拗ねていたが、一瞬にして直った。どうやら甘いものが好きならしい。スプーンとアイスを渡して、一口二口たべるレイが、幸せそうに目を細めている。


「はい、柊お返し。」スプーンですくった一口分をこちらに差し出してきた。

ーこれ、間接キッスになるんじゃあ。


でも待て。


ここで断ると、俺が間接キスにビビっているみたいになる・・・


関節キスくらい同姓の友達としょっちゅうやってるし。


「お、おう、よし」スプーンを受け取ろうとする。


「違うよ」と真顔でレイが言う。


「口あけて!!」


「はぁ?」


「口。あーん。とけちゃう。早くして」間接キスよりも上のやつ!!


「は、早くしてよ・・・、やってる私も恥ずかしいから」小声で言うレイの頬は赤に染まっている。


恥ずかしいならやるなよ。こっちまで余計に恥ずかしくなるだろ。


「人前でこんなことしてーふんぐっ」口に無理やり突っ込まれる。


「おいしい?」


「うん・・・」


「よかった」にこっと音がでそうな笑顔だった。


「俺にも心の準備があるから待ってくれてまもよかったじゃん!!」


「だって遅いんだもん」


もうこれ以上あーんしてもらうわけにはいかないので、レイは引き続きスプーンを使って食べて、俺はどきどきしながらたべた。


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