6話 事故とかっこいい私
バス停まで歩いてゆく。今日は雪が降っていてレイとって丁度いい季節だった。やってきたここら辺で一番でかいデパート(イオンモール)方面のバスに乗った。結構な人数が乗っていて、乗車率はかなり高い。パンパンとまではいかないけど、おしくらまんじゅう状態であることは明らかであった。
「むぎゅー・・・」と私はうめき声をあげる。
「コート脱いだ方がいい、あとニットまくるよ。」バスの中は喚起がされていたがすごい人なので私とっては暑いと思いまくってくれたのだろう。コートがいつの間にかたたんで柊が持っている。イケメンは行動が早い。
そして今壁側で柊に壁ドンされています。なので柊の息や顔が近いので余計に暑くなる。このままだとイケメンに殺されてしまう。
「しゃっこい(冷たい)。」私の頬に缶ジュースがつけられる。
「暑いよね、もうすぐで降りるからこれで冷やしておいて。」絶対わざとだ。柊もそういうことをするようになった。でも初めてなのになんか懐かしい感じがして楽しい。私は、頬につけられた缶ジュースを自分で持ち、もう一度頬につける。
あと柊の顔が近すぎるのでそらした。そしたら、そらした顔のほうに柊が首をかしげる。柊は、なんかにやけている。いじわるだ。
私耐えられないので後ろ向いて窓の景色を見ようとしたらバスが揺れて柊の体がぶつかる。びっくりして振り向いたら顔がとても近くて揺れでおでこにキスをされた。私は、顔を真っ赤にし、瞬きが増えている。まっすぐみたら柊も顔が熱くあり動揺していた。
「ごめん!あの、今のはわざとじゃなくて―っ」
「柊、いじり気分でこんなことするの?」私は動揺しながらも平然を装って聞く。
「しない、しない。ごめん。」切実に謝ってくる。
「も、もお・・・恥ずかしいよお・・・」こてん、と柊の胸に頭を預ける。
頭を撫でてくれるかなとおもったが、反省したのか全然してこない。さっきから柊の胸がなっている。私までも緊張するじゃん。でもなんかうれしい。
あとは撫でてほしいので「柊、頭なでなでしたら許してあげる・・・」といった。柊は無言で頭を撫でてきた。心臓の鼓動が早くなってる。
なでなでが終わったので顔を上げると柊がじっと誰かを見つめている。
「どうしたの柊?」
「学校の同級生がこっち見てた、たぶん降りたら話しかけてくる。もし話しかけられたら彼女って言うからあとはうまく話をあわせて。」私は、うなずいた。
柊が見た先をもう一度しっかり見るとtheパリピって感じ男子二人と女子が二人いた。柊の顔が嫌そうな顔をしている。あまり親しくはないのだろう。たぶんダルがらみしてくるタイプだ。
イオンモール到着のアナウンスが流れる。ぞろぞろと若い人たちが、降りていき、それに流れるように降りて行った。
〇
柊の予感は正しくtheパリピは待っていた。
「柊って女いたんだ、あんなに女寄せ付けないオーラだしていたのに。」
「うん、いるよ。隣にいるの彼女。女から離れていたのは彼女がいたからだし。」
「へ~、てか彼女さんめっちゃ美人じゃ~ん。写真とるねお二人さん。」
「それは、だめでしょ。普通に考えたら。レイも嫌だと思うしやめてくんない。」と柊がいう。
「大丈夫、クラスlineに乗っけるだけだし。あと柊狙ってる女子が多いから代わりにあきらめろ的なやつだから」といい、女が写真をとる。
柊の顔は真っ青だった。
私は、柊の腕を引っ張り、「時間がもったいない、いこう。」といった。
〇
「ありがとう、レイ。」少しこわばっている顔から朗らかな顔になっていく。落ち着いたのだろう。
「どういたしまして、そんなこと忘れて楽しもう!!」と私は笑顔で柊の手を掴みながら言った。
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