4話 レイは子供っぽい(柊視点)

 今、俺の部屋にはレイという女の人がいる。レイは初対面の俺に対してものすフレンドリーに接してくれる。フレンドリー過ぎて理性がやばい時もあるけど…。


「お腹減ってない?なんか作るよ。」


「いいの、ありがとう。料理もできるんだね。」レイは微笑みながら言う。花が咲いたような笑顔にドキッとしてしまった。


冷蔵庫にうどんとトマトとツナがあったので冬にツナトマト冷やしうどんを作ることにした。ツナ缶は油を切ってトマト切ろうとしたらキッチンの周りをレイがウロチョロする。まるで親が作っているご飯はなんだろう?と見にきている子供のようだった。


「今から包丁使うので危ないから離れてくだいねー。」と幼稚園の先生が子供にいうときみたいにいってみる。なんかレイの顔がほうばるリスみたいな顔をしていてかわいかった。ちょっとおこっているのだろう。レイはキッチンを離れてリビングにいった。


   〇


料理ができたのでリビングに持っていこうとしたら「助けてー。」という声がきこえた。レイおしりがビーズクッションに埋まって起き上がれなくなっていた。しょうがないなぁ~と思い、レイの両手をとる。起き上がらせようとしたらレイがつかんだ手を引っ張って抱きしめてきた。体の冷たさ、やわらかさ、鼓動の早くなる心臓の音を感じた。そして、驚いたことにレイは泣いていた。


「ありがとうね、柊。私をたすけてくれて。」


「死ぬのが怖かったんだ、今だから生きていてとてもうれしい。柊からもらったものちょっとずつ返していくから今はこのハグを受け止めて。」レイは安心になったことで辛さがこみ上げてきたのだろう。俺はレイの背中をぎゅーと抱きしめた。俺の背中や右肩が濡れていく。この二か月を楽しませようと思ったと同時に二か月以上生きててほしいと思った。


「ありがとね柊、泣いたらスッキリした。ごめんね、こんな方法でしかあまえられなかった。」


「俺で良かったら、辛い時いって。なんもできないかもしれないけどそりそえるから。」


「ごはんできたからたべよ。」 「うん、楽しみ。」


   〇


レイはずっと俺の手元を見ている。箸の持ち方がわからないらしい。


「フォークもあるよ。使う?」


「大丈夫、これからここで住んでいくし、柊にとってのあたりまえにふれていきたいから。」郷に入っては郷に従えということがぴったりだなーと思った。その後のレイは挑戦するがなかなかうまく使えていなかった。うどんだから余計に滑っている。周りに飛び散りそうにめんつゆが揺れていた。


「紙エプロンあるから使って!!」自分のジャージに飛び散ったらあとあと面倒なのでレイに提案する。


「うん、子供っぽいてって思っているでしょ。」といい、紙エプロンをつける。


「うん、思ってるよ。でも恥ずかしいことではないと思うよ、初めはみんなできないから。」箸がじょうずに使えてない人は結構いるし、使えなくてうわ、やばとも思わない。挑戦しているレイがかわいいので応援したくなる。



「ねぇ、あーんして欲しいな。箸を持ってるのまじかでみたいし、私は食べたいし。一石二鳥!!」


「わかったよ、はい口を開けて。」レイは目をつぶって口を開く。キス待ちみたいな顔していた。これってカップルとかでやるんじゃねーのとおもった。美味しそうに食べている。作った身としてはうれしい。そのあとも食べさせてあげた。


   〇


「ベット使って寝ていいよ。」


「えー、柊は寒いからしっかりとベットで寝た方がいいと思う。」レイがいうことも一理あるが泊めている身としてはベットで寝てほしいと思った。


   〇


俺が風呂にはいっている間にレイは寝ていた。口がポカーンと開いている。ソファーで寝ていた。気を使ってくれたのだろう。お姫様抱っこでベットに連れていこうとおもったが、勘違いするかもしれないのでやめておく。自分はベットで寝るのはなんか嫌だと思ってしまったので床で寝ることにした。







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