第17話 今度は一体何が起こるんだ

「厄介…って、何が?」


「…蒼汰さんも来る…」


「………………はあぁぁぁぁあぁあああああああ!!!!!?????」


「やっぱ、そうなるよねぇ…」


「なるだろ―――――!!!それはぁぁあああああ!!なんでだよ――――!!」


「だって、凪に逢いたいって言うんだもん」


「はぁ!?なんで!?」


凪は、完全にキレている。そして、もちろん、玲子もキレた。





*****




「俺、明日休みにしてもらった!」


撮影が終わり、帰ろうと、スタジオから出ようとした玲子に、蒼汰がいきなり肩をつかんで、言ってきた。


「は?」


訳が分からない。『休みになった』は、まぁいい。だから、なんだ。なんで、私の肩をつかむ必要がある?そして、それを私に告げる目的は一体何だってんだ…。


「俺、玲子ちゃんの“いぬ”見てみたいな♡」


「!?」


「あはは!そんなに驚かないでよ!!ちょっとしたコミュニケーションだよ!!プライベートでも仲良くするのは、仕事を円滑にする良い方法だよー?」


「あ…イエ…でも…あいつ、ヤキモチ焼きで…」


「へー…。尚更会いたい!」


(絶対やばいこと考えてる…。こいつ…。どうやって断ろう…。なんか、いつもみたいに切り抜けなきゃ…)


機転の利く玲子だったが、凪については、全くの一般人だし、高校でも2人が付き合ってることは誰も知らない事実だ。


(あ!そうよ!凪は一般人じゃない!!)


「あの、私と、一般人が一緒にいる所に、蒼汰さんがいたら、ややこしいことになるんじゃ…」


(よっしゃうまい!!)


「いいのいいの!!俺、そう言うの気にしないから!!」


「…でも…」


(もう!なんなのこいつ!!)


玲子のはらわたは、煮えくり返る寸前だった。


⦅知ってるよ。君と、凪くん、学校内でも関係、秘密なんでしょ?それ、ばらされたくなかったら、俺も仲間に入れて♡⦆


「!?な、誰からそれを!!??」


「ん―――?ちょっとお小遣いあげただけ♡」


「………………解りました。じゃあ、明日、11時に映画館の前で待ち合わせしましょう。それで良いですか?」


冷たく、上手いはずの演技とは裏腹な棒読みで、どす低い声で、玲子は、名一杯威嚇しながら、超――――――――――――――――――――不機嫌な顔でそう言った。






「ってこと」


「んなの、理科出来ねぇって!!納得いかねぇって!!意味わかんねぇって!!」


「はいはい。凪。落ち着け。私に良い考えがある。凪の犬力が試される。用意は★★★★★だけ。一発で決めてよ!?できる!?」


「そうなったら、俺はお前に言われてなくても、そうすると思うぞ」


「だね。よくぞ言った。我が犬よ」


「…………一体、いつから俺は犬になったんだ…」


「そんなことも忘れたの?小さな脳みそね」

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