第10話 時間との勝負
「
身を隠した
今まさに見たのだ。人の形をし、大きな翼を持った
進むのか、引くのか……。
「
今度は
「あ、すまない」
「今の物体は何だ?」
「あれは……あれは恐らく……天狗」
「天狗!? あり得ないだろ? 天狗といえば、神の遣いだろうが」
「そう、だからここはヤバい。あんたたちを巻き込んで申し訳ない。報酬はいいから、引こう。
「
「
「あんたはどうなんだい? ここで命を落とすことになるかもしれないよ」
「
「ふん。相変わらずバカだね」
「
「ふぅ~、分かったよ。その前にあんたたち顔かしな」
「うん?」
袋から何やら大きな二枚貝の貝殻を
「これは?」
「しばらくの間、弱っちい
3人の額にまじないを施した後、「さぁ行こう!」 と、
3人は小さく頷きあい、
そこには隣の屋敷との境目に大きな木が1本、堂々とした趣でひときわ存在感を放っていた。
「お前ら下がってろ。こんな塀くらいぶっ壊してやる」
「バカ。よく見てみな」
「うん?」
ひょいひょいっと軽やかに木に飛び乗る
それを確認すると、まるで猫が木から飛び降りるように音もなく
「この先に、扉がある。」
「おぉ~。じゃーこの壁をだな」
「待ってくれ、
「それは厄介だね。屋敷の方からその通路は見えるのかい?」
「いや、おそらく……音を立てずに奴らを仕留められれば、塀が高くなってるから、屋敷の方からは気付かれず中に入れると思う。あいつらは正面からの敵に備えているようだから」
ここからは時間との勝負。一気に決着をつけないと敵に気付かれる可能性が高い。
「敵同士が近いな。1体
「まずはここの敵を倒し、一旦体制を整える。裏口を守ってる奴に気付かれずにね。出来そうかい?」
「面倒だ。やっぱり俺が正面から敵を引き付ける。その間にお前らが裏手に回れ!」
「
だからお前は筋肉バカって言われるんだよ、と
「
いや、今はそんなことを考える時ではない。人質を救いだし、生きて帰る。
「もしもの時は、俺が奴らをくい止める。後ろは任せろ」
行こう!
「おい、弓の使い方は分かるのか?」
「あんた……何で下にいた時に確認しないんだい」
「大丈夫だ。
「う、うん。まぁ~そうだろうな」
ぐほっ。
「げほっ。ゴホッゴホッ」
「うまく片付けられたら、この紐を引く。動いたら上がってきてくれ」
「お、おぉ」
木の上から見る景色は先程と変わることはなかった。敵は
―― イメージするんだ。敵を倒すイメージ。喉を一発で仕留め、最後の一体が気付く前に狩る!
ギギギギギギギギギッ…、シュッ!
「グェっっっ」
続いて素早く放った二本目の矢が、奥の
「ギャーーっ」
「外れたっ。」
カタカタカタカタ、
そして一瞬
―― ヤバい! 来るっ!
「ケケケっ」
憎しみのこもった、それでいて寂しそうな目が
その勢いで3体目の
少し奥にいる
走り続ける
急に進路を変えられた
シュパッ。
音と共に
一瞬の出来事で、奥の入り口を守っている武士たちは気づかない。
紐が動いた。計画は成功したという合図だ。
「行くぞ」
「えぇ」
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