第6話 初めての依頼
「詳しく聞かせてくれ」
「相変わらずシケタ食事ね。酒をやめてもう少し食事に力を入れたら?」
「大きなお世話だ。早く話しやがれ」
「セッカチな男だね。あんた、気を付けな~。こう言う男は一回気を許せばグイグイ迫ってくるからね。ある程度の距離感が必要だよ」
あーヤダヤダといいながら
だから、こう答えるしかなかった。
「
「あんたね……」
「あはははははははは。
「笑うな! あ~もぉ」
「すまんすまん。本題に入ってくれ」
そう言いつつ、まだ笑っている
『お客様がいらしたときは、お茶をお出しすること。お茶うけがあればいいのだけれど……それは有る時と無い時があるので、少なくともお茶はお出しするようにね。心ばかりのおもてなしをするのですよ』
茶葉の分量なんて良く覚えてないから、抹茶のような濃い緑色のお茶が、
「それじゃ」
「俺の相棒だ。気にせず続けてくれ。で、今回はどこの里からだ?」
「里からじゃないのよ。今回はね……お城から」
「えっ? 何だって?」
「驚きでしょ? あたしも最初、都のお偉い人から話をもらった時は、驚いたわ」
それで? と
「場所は、西の都の外れにある遊郭。そこには今、殿様のご
「それを救出しろと?」
「そう。さすがね。話が早い」
「それだけじゃない……よな?」
「相変わらず察しがいいわね。そう。それだけじゃないわ」
「もったいつけねーで言いやがれ」
「この仕事受けてくれるわよね?」
「話、次第だな」
「それじゃ話せない。知らない方がいいこともあるでしょ?」
「はよ、話せ。どうせ俺のところに来たってことは、胡散臭い話なんだろ?」
「まぁ~ね」
話を要約すると、都の外れにある遊郭。その一角に大きな屋敷、質の良い遊女だけが雇われている館があるらしい。
そこに城のお坊っちゃまが人生経験としてお忍びで火遊びに行ったところ、
さらに不可思議なことに、城に坊っちゃんの身柄と引き換えに多額の金が求められているということ。
それとも
「あんたも知ってる通り、この国は隣の国
「人間が
「そうね……。でも噂では
「まぁ~その分、成功報酬の金額はいつもの10倍!
さて、長居は無用、と言い
「おい、ちょっと待て。俺は……」
「引き受けないとは言わせないわよ。ここまで話したんだから」
「……」
「安心して! 今回は私も出向くわ」
「
「あら~心配してくれるの? でも大丈夫。私こう見えて
「えっ?」
今度は
「この人、奥様方の敵を取りたくてあたしのところに泣きついてきたのよ」
「ぐぅぅ……っ」
「強い……」
「そう。だから今回は一緒に行くわ。あたしも準備があるから、明後日。明け方に出発しましょう。その日のうちに着けると思うわ」
「わかった。かたじけねぇ」
「何言ってるの。一匹残らず狩るわよ」
そう言い残すと、すたすたと
「
「すごいことが起きてるかも知れねぇな」
「明日は1日、戦いの準備をする!」
「私も行く!」
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