第2話 妖とは
二人が出会ったここは、
ここなら、誰も
人は周りと違うモノを忌み嫌う。
さらに人々を怖がらせたのは、瞳の色だ。
母の
母の
だから
理由はそれだけではない。里の人たちと同じように我が子を憎み
もともと病弱だった
それからは、祖父の
「じいちゃん。じいちゃんの刀、奇麗だね」
「分かるか?」
それでも山里離れたこの地で、納得のいく刀を創り続けていた。
「お前にも残してやろう。わしの最高傑作を」
「ありがとう! じいちゃん」
その頃には
そして生きていくために
そんな形で細々と人目を避けて暮らしていた。
だが……、穏やかな時間は長くは続かなかった。
「じいちゃん……」
「泣くな
それから間もなくして、
一人取り残された
『生活に困ったら、これを売って生活の足しにするがよい』
* * *
里の人々は、
「あの子何者なんだい? みたことがないよ」
「あの青い髪は人間じゃないんじゃないか?」
「そうだ、あれは
噂が噂を呼び、里の者はそそくさと家に入り戸を固く締めた。
遠くから石を投げてくる子どもまでいるしまつだ。
「っ…」
「
「出てけ~、出てけ~っ」
沢山の石が投げられ、その内の一つが
―― 何で……。
痛みよりも何故? という悲しみに
『お前は強いし若い。里に下りるのもよかろう』
「じいちゃん……。無理だ……。私はここでは暮らせない。誰も私を受け入れてくれない……」
そんな悲しみに暮れる
『じいちゃん、
『お前、どこでそんな言葉を学んだ? また里に下りたのか?』
『ううん。行ってない。
―― じいちゃんは悲しい顔をしていた。
『お前は
『でも……』
『
『そんなこと、絶対にしないよ』
『じゃろ? お前は決して
―― じいちゃん……。私は
ガタンっ。
表の方で音がした。ここも安息の場所ではなかったのか……。
「誰っ?」
カチッと刀が鞘から抜ける状態を作る。殺られる前に殺らねばならない。
月明かりに影がうごいた。
張り詰めた感覚と雰囲気が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます