第2章
第43話
水瀬さんと初めての休日デートを終えたその日の夜。
「う、うわぁああああああ!!」
俺は自分の部屋で1人悶え苦しんでいた。
「いやめっちゃ恥ずかしい事口走ったんじゃないか俺……!!」
今日のデートの帰り道。 俺は水瀬さんに色々とカッコつけた事を言っちゃった気がするんだけど……本当に大丈夫かな、水瀬さん引いてないかな……
「……はぁ。 まぁ、でも言っちゃったもんは仕方ないか」
俺はため息をつきながらそう呟いた。 かなりカッコつけてクサいセリフを口走ってしまった自覚はもちろんあるし、もしかしたら水瀬さんを引かせちゃった可能性もあるんだけど……まぁでもあの時に言った言葉は全部本心だからさ。 だからあの時水瀬さんに言った事に対して「言わなきゃ良かった……」というような後悔は一切ない。
「いや、恥ずかしい気持ちはめっちゃあるけどね……」
まぁこのこっぱずかしい気持ちはいつか解消すると信じて……俺は気を取り直してもっと楽しい事を考える事にした。 という事で俺は今日の水瀬さんの恰好について思い出していく事にした。
「うーん、やっぱり水瀬さんの私服姿はめっちゃ良かったなー」
今日の水瀬さんの恰好は黒いスキニージーンズに上は白いパーカーというラフスタイルだった。 ピアスや指輪なども全部外してギャルっぽい雰囲気はほぼ封印して今日はデートにやってきてくれた。
いつも学校で見てるギャルスタイルな水瀬さん(学生服ver)も凄く似合っていて良いと思ったけど、今日みたいなラフスタイルな水瀬さんも凄く良かったな。
「……いや、多分だけど俺は水瀬さんに対しては何でも似合うって言っちゃいそうだけどさ、あはは」
いやだってさ、水瀬さんって女子にしては身長は高い方だし、スタイルもめっちゃ良いからどんなファッションでも似合いそうなんだもん。 もし水瀬さんが読者モデルとか始めたりしたら、同世代の女の子達からめっちゃ支持されそうだよなー。
でも水瀬さんは今日みたいなラフスタイル以外にはどんな服装を好んで着たりするのかな? うーん、せっかくならまた違った服装の水瀬さんとデートがしてみたいなぁ……
―― ふふ、そんなに見たかったんなら、次にデートする時は矢内君の好みに合わせた服を着てあげるよ。
「……あ」
そういえば今日のデート中に水瀬さんは俺に向かってそんな事を言ってくれた。 いやもしかしたらそれはただの社交辞令かもしれないけど……でもやっぱり好きな女の子の私服姿は何度でも見てみたいよな。
「……よし、それじゃあ次も頑張ってデートに誘ってみるぞ!」
という事で俺は新たな決意を胸に抱いた。 ここからまだまだ寒くなってくるだろうし、次は室内系のデートプランとか考えてみようかな。 動物が好きなら水族館とかも好きなのかな? 今度会ったら聞いてみよう。
―― ぴこんっ♪
「うん?」
そんな事を考えていると、唐突に俺のスマホが鳴り出した。 それはラインの通知音だったので、俺は早速スマホを取り出してその送り主を確認してみた。 するとそのラインの送り主は水瀬さんからだった。
―― 今日はありがとー!
―― さーもん君が新たな家族に加わりました(ベッドの上にさーもん君が横たわってる写真)
―― ぴこん♪(喜んでるクマのスタンプ)
「は、はぁ!? ちょっ! さ、さーもん君ズルいぞ!!」
水瀬さんから送られてきた写真には、俺が今日プレゼントした鮫のぬいぐるみが水瀬さんの家のベッドを占拠している所が写っていた。
「い、いやもう水瀬さんのベッドを占拠してるとか羨まし……じゃなかった、けしからんだろ!!」
俺は今日プレゼントした鮫のぬいぐるみに若干嫉妬しそうになったけど、まぁでもそのプレゼントを水瀬さんがちゃんと喜んでくれてるようなのでほっとした。 それにしても水瀬さんって意外と可愛い物が好きなんだよな。 この情報はいつか役に立ちそうだし忘れずに覚えておこう。
―― こちらこそありがとう!
―― これからもさーもん君と仲良くしていってあげてください!
という事で俺はさーもん君に若干の嫉妬心を覚えそうになりつつも、水瀬さんにそう返事を返していった。
―――――――――
・あとがき
いつも読みに来て頂き本当にありがとうございます!
前回のあとがきでプロット作りからスタートすると言ったんですけど、そうすると読者の皆様をかなり長時間待たしてしまう事になると思ったので、プロット作りと並行して執筆作業も進めていく事にしました。
ただこれだと毎日投稿をするのは絶対に無理なので、これからは週1~2回ペースでの投稿となります。
投稿頻度は落ちてしまうのは本当に申し訳ありませんが、これからも矢内君と水瀬さんの青春物語を応援して頂けたら嬉しいです!
それではここから第2章がいよいよ開幕です!よろしくお願いいたします!
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