第128話 新作ゲーム
結局色々とうやむやのまま、俺は家に帰ってくる。
すると家の玄関に見覚えのない段ボールが置かれていた。
「あれ、宅配? なんだろう。何も注文してないよな……?」
宅配便の宛名のシールもついていない。
「あ、クロ。ただいま。緑川さん達はなんだか大変そうだったよ。それでさ、この荷物、知ってる?」
「お帰りなさい、ユウト。私の不手際でご足労をおかけしました。こちらの荷物は私が応募した抽選で、当選した品です。お詫びではないのですが、良ければユウトが使ってください」
「え、クロのなんだ。何が当たったの?」
俺は居間に移動しながらたずねる。
「こちらです」
「あ、プレイポート。しかも、セブン! 今品薄ってニュース見たよ。すごい。良くこんなの当たったね、クロ。そっちはソフト?」
ただ、全体的に品薄なのと、発売ソフトに恵まれずにいることから、それまでのPPに比べるとそこまで普及していないイメージもあった。
「ダンジョン&キングダム、か。聞いたことのないソフトだ」
俺もそこまでゲームに詳しい訳ではないが、それは全く見たことも聞いたこともないゲームだった。
「まだ発売前のゲームです。テストプレイを兼ねておりますので、ゲーム内容はネット等で口外しないようにだけお願いします」
「え、テストプレイ? それ、俺がやって大丈夫なの?」
「問題ないかと。ゲーム内容としては配下を作り出し、その配下に未知のダンジョンを攻略させていき、やがてそこを自分の王国として栄えさせる、というものになるようです」
「なるほど。どちらかといえばダンジョン攻略と運営の両方をするタイプのシュミレーション系なんだ。面白そうではあるね」
最初はどうしようか迷っていたが、
「出来る時間は限られてるけど、せっかくだしやってみようかな……」
平日はどうしても片道二時間の通学が時間を圧迫していて、忙しいのだ。休みの日じゃないとじっくりゲームもできないぐらいには。
「是非そうしてください。それにこのゲームは据え置き型の家庭用ゲームではありますが、一種の放置ゲームで、操作していない間も進んでいくようなので、忙しいユウト向きかと思います」
「へぇー。そうなんだ。それじゃあ、ありがたく」
そういって俺は
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