第64話 オフ会へゴー 3
「あ、ジョゼ三世さんだよ!」
場内に貼り出されたパネルを眺めたり、写メのスポットらしき場所で並んで記念撮影をしていると、場内が一気にざわつく。
どうやら本日の主役が登場したらしい。
俺も事前に下調べしていて顔は知っていたが、本物はより奇抜だった。
ライバー、ジョゼ三世は派手な衣装の二十代ぐらいの女性。ただ、俺がネットで見た画像よりも奇抜さが上がっている。その両頬には真っ黒な星と月のタトゥーが入っているし、両手の爪も真っ黒なネイルをしていた。
「皆さん~。今日はジョゼ三世のオフ会に来てくれてありがとね~。楽しんでるかな~」
スタッフらしき人からマイクを渡されたジョゼ三世が話し始める。
特に、すぐさまジョゼ三世の周囲に集まったファンたちの反応は良好なようだ。
「いくつか、イベントも用意してあるよ~。まずはビンゴだよ~。みんな、スマホにURL送ったからアクセスしてビンゴカードを手にいれてね~」
大きめのモニターの前にたって説明を始めるジョゼ三世。そのジョゼ三世の声を合図に皆が手元のスマホを覗き込む。
「みんな、ビンゴカードの準備はいいかな~」「いいよ~」「オッケー」
ノリノリで応えるファンたち。俺も一応、アクセスしてビンゴカードを手にいれておく。
「じゃあ、始めるよ~。景品はこちら! あと、特別賞で『ジョゼ三世と10分間別室でお話する券』があるよ~」「うおー!」「え、ほしいっ」
「ユウト、聞いた! これは、例の件を聞く、チャンスだよね! よーし。とろうね、特別賞!」
早川も食い付きがいい。
◆◇
ビンゴはスマホでやっている点を除けば、至って普通だった。順々に番号が選ばれ、モニターに番号が表示されていく。そして自分のスマホ上のビンゴカードに、その数字があれば、自動で穴が空いていくのだ。
ただ、解説や数字の読み上げをジョゼ三世がしているので、会場は盛り上がっていた。
賞品が出るのが七位までで、八位が特別賞らしい。
次々にビンゴになっていく参加者が出ていて、特別賞の八位が近づくにつれて会場の熱気も盛り上がっている。
「次は36番だよー。お、一人ビンゴだねー。七位だよ。賞品はジョゼ三世生写真詰め合わせだー。おめでとう~!」
ジョゼ三世から手渡しされているファン。
「ユウトユウト! 今のでリーチになったよ!」
「あ、俺もだ」
互いにスマホの画面を見せあう俺たち。
「さあ、いよいよ次のビンゴの人が特別賞だよー。番号はこれだよー」
そういってモニターに、番号が表示された。
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