【旧】何の取り柄もない平凡な俺が美人双子姉妹を命懸けで助けた結果、実はヤンデレだった2人をガチ惚れさせてしまった件
第57話 涼也はもう何があっても私とお姉ちゃんからは逃げられない、例え異世界で生まれ変わったとしても絶対に追いかけるから
第57話 涼也はもう何があっても私とお姉ちゃんからは逃げられない、例え異世界で生まれ変わったとしても絶対に追いかけるから
京都駅から京都ツリーに移動した俺達は11階にある展望室へと来ていた。展望室からは京都市内が360度見渡せるためかなりの絶景だ。
「めちゃくちゃ良い景色だな」
「涼也、お姉ちゃん見て。あそこにこの後行く清水寺が見える」
「えっ、どこどこ?」
そんな会話をしながら京都市内の景色を見て回る俺達だったが、展望室の中に変わったものがある事に気付いて足を止める。
「つりりん神社?」
「何でこんなところに神社があるんだろう?」
「つりりん神社はマスコットキャラクターのつりりんをモチーフにした京都ツリー開業100周年で設置された京都で一番高いところにある神社」
俺と玲緒奈が2人で不思議そうな表情を浮かべていると里緒奈が詳しく説明してくれた。
「へー、一応ちゃんとした神社なんだ」
「里緒奈はよくそんな事まで知ってるな」
「修学旅行で行く観光地に関しては全部予習してあるから」
どうやらこんなところでも里緒奈の優等生っぷりが発揮されたようだ。観光地の情報が頭にインプットされている里緒奈がいれば、こんなふうに解説してくれるためより楽しめるに違いない。
「ちなみにつりりん神社は恋愛と良縁成就のご利益がある」
「そうなんだ、なら私達と涼也君の将来をしっかりお願いしておかないとね」
里緒奈の口から出た恋愛と良縁成就のご利益という言葉に反応した玲緒奈は絵馬を購入して早速何かを書き始める。
玲緒奈が一体何を書いているか気になった俺は横目でチラッと見たわけだが、なんとそこには想像していた以上にとんでもない内容が書かれていたのだ。
「未来永劫何度生まれ変わったとしても全ての宇宙、過去と未来の全てで八神涼也の魂まで私と里緒奈だけのものになりますようにって、流石に大袈裟過ぎないか……?」
「えっ、全然大袈裟じゃないと思うけど」
「涼也はもう何があっても私とお姉ちゃんからは逃げられない、例え異世界で生まれ変わったとしても絶対に追いかけるから」
玲緒奈と里緒奈が平然とそんな事を言ってのけたのを聞いて、改めて俺はとんでもない姉妹から目をつけられてしまったのだと再認識した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
京都ツリーを出た俺達は昼食を済ませた後、清水寺を散策している。人気観光地という事で平日にも関わらず観光客はかなり多い。
拝観入口は俺達の学校の生徒と一般の観光客で溢れかえっていたため中々列が進まず、先程ようやく中に入れたところだ。しばらく3人で清水寺の中を歩いていると玲緒奈が何か気になるものを見つけたようで口を開く。
「ねえ、里緒奈。あそこの看板に書いてある胎内めぐりって何か知ってる?」
「胎内めぐりは仏様がお腹の中で過ごされた体験を模した参拝方法の1つ。お堂の中を人々の願いを叶えてくれる
「なるほどね、胎内めぐりをするとどんな効果があるの?」
里緒奈の言葉を聞いて胎内めぐりに興味を持ったらしい玲緒奈は追加で質問をした。
「中にある梵字が書かれた石に触って祈願すると1つだけ願い事が叶うって言われてる」
「願いが1つ叶うってのは凄いな」
「だよね、私達も入ってみようよ」
説明を聞いて俺と玲緒奈はすっかり入る気になったわけだが、何故か里緒奈はあまり乗り気では無さそうな様子だ。
「ち、ちなみに胎内に見立ててるから中は暗闇で完全に真っ暗」
乗り気ではない理由が分からず不思議に思う俺だったが、里緒奈の言葉を聞いてすぐに納得した。里緒奈は倉敷ミラノ公園のお化け屋敷で絶叫していたように暗いところがめちゃくちゃ苦手なのだ。
「入るのが怖かったら私と涼也君の2人で行ってくるけど」
「だ、大丈夫。所詮は中が暗いだけでお化け屋敷とは違うから私は全然平気」
玲緒奈が声をかけると里緒奈は普段の冷静な態度を装っていたが、声が震えている事を考えると全く大丈夫なようには見えない。
その後も何度か確認したが里緒奈は何度聞いても大丈夫としか答えなかったため、胎内めぐりに行く事が決定した。
それから俺達は拝観受付で拝観料を払って説明を聞いた後、お堂の脇にある階段を降りる。事前に説明があったように真っ暗で何も見えなかった。
暗闇の中で頼りになるのは左手側にある数珠の綱のみとなっているため、うっかり手を離してしまったら方向感覚が分からなくなりそうだ。
「ぜ、絶対置いていかないで」
「分かってるよ、だから里緒奈を真ん中にしたんだし」
俺が先頭でその後ろに里緒奈、一番後ろが玲緒奈という順番にしているため置いていく事はまずない。だが里緒奈はそれでも心配なのか俺の後ろにピタッと密着している。
あんまりくっつかれると下半身が元気になりそうだからもう少し自重して欲しかった。こんなところで勃起なんかしたら罰が当たりそうだし。
そんな事を思いながらしばらく真っ暗な通路を道なりに進んでいると、黒一色だった世界にぼんやりと仄白い明かりが現れる。
明かりの中央にある石が受付で説明を聞いた大随求菩薩のシンボルである梵字が刻まれた随求石に違いない。後は随求石をぐるっと回して願い事をするだけだ。
「2人とも願い事はできたか?」
「……うん」
「バッチリだよ」
弱々しい声の里緒奈に対して玲緒奈は相変わらず元気いっぱいだった。
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大変長らくお待たせしました〜!
修学旅行の話はまだしばらく続きますー
また以前予告した11月連載開始予定のヤンデレシリーズ新作を冒頭だけ書いてみました。もし良ければ意見や感想をお願いします。
作者としてはこの始まり方で続きが読みたくなるかどうかが一番気になっています。
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