第14.5話
6人が同居する拠点を得たことにより、今までと違うことができるようになった。
それはクエストの分担だ。今まで拠点が違ったので、会うたびに予定を確認し、集まって、そしてみんなで同じことに挑戦することが多かった。2~3人向けのクエストでも6人全員で参加していた。
ギルドを集合場所にすれば分担して参加できたとは思うが、完全に自分達だけの拠点とは異なるので少し避けていた。終わる時間が別だから、いつまで待つべきか確認が取りずらい。そもそもアタシらはツムグが居ないと連携が崩れるっていうこともあるんだけど。
数キロメートル歩いてギルドに着いた。馬車もあったけど、街並みを確認したいということもあって徒歩にした。
掲示板を確認して、彼が問いかける。
「なにか受けたいクエストあるか?」
すると、まずテインが答えた。紙を一枚見せながら、彼に伝える。
「【〝お菓子の家〟の破壊/討伐】…お菓子の家?」
「はい!お菓子でできた家です!」
珍しいクエストだ。テインの目がキラキラしている気がするので、持ってきた理由はなんとなくわかる。場所が森の中ということもあってか、彼と腕を組んでいるスペルも反応する。
続いてアタシも、【〝新種ミミック〟の調査】と書かれている紙を持ってくる。ダッシュも気になったような反応を見せる。
「そうだな…三人ずつに別れてこの二つを受けよう。」
彼は少し考えて役分けを行う。
「ミミックの方にはクロルとダッシュ、お菓子の家にはスペルとテインだ。」
四人とも返事をしたり、頷いたりする。
「俺はお菓子の家の方に行くから、ハセラはミミックの方で大丈夫か?」
「あぁ、構わないよ。」
新種の調査なら、確かに知識人のダッシュと遠距離から攻撃できるアタシは適任だろう。今回ハセラは護衛に近いかな。
「おい留守番しとけよ脳筋。」
「はぁ?ミミックに喰われてもほっとくからね君?」
「え、自分この二人と行くの?ホントに?」
ダッシュが凄く不安そうに、というか死にたくないみたいな顔をしてる。
【依頼内容:〝新種ミミック〟の調査】
場所:街外 北方面 廃鉱の洞窟
対象:
報酬:3,000ラプテ
調査内容に応じて後日追加報酬あり
参加者:クロル、ハセラ、ダッシュ
【依頼内容:〝お菓子の家〟の破壊/討伐】
場所:街外 東方面 修道の森
対象:
報酬:4,500ラプテ
参加者:ツムグ、スペル、テイ
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