応援コメント

第10話 凱旋」への応援コメント

  • 此処まで読ませて頂いた。
    此処に書くのは持論であり、暴論に等しい。
    気にする必要は無いし、不快なら消して頂いて構わない。

    さて。
    この物語は大掛かりな改修工事の最中だと言う。
    戦闘描写を大切にしたいとあり、実際戦闘描写には力を入れている気配が此処彼処に感じられた。コメントから察する限りでは、昔はそれこそスキルの説明で殆ど終わっていたと言うのだから驚いた。自身の文章に納得が行かず、真摯に改修に取り組んだのだと思う。その成果は確実に現れていると考える。

    しかし恐らく、この方向性で改修が終わったとして、作者様が満足する事は無いだろう。

    戦闘描写を濃密にした所で、否、戦闘描写を濃密にしたいと思う程に向上心があるからこそ、作者様はこの物語の文章に満足せず、いつかまた書き直す事になるのではないか。

    何故か。

    この作品は、作者様の「書きたい」モノは書かれているが、「面倒臭い」モノは殆ど書かれていないからである。

    主人公が如何に好かれているか、主要人物の設定やスキルの説明は書かれている。しかし、舞台となる場所どんな風で、其処に暮らす人々がどんな風に毎日を過ごしているかは殆ど描写されていない。主要人物周りは語られているが、その辺の屋台から漂ってくる料理の香りや湯気の温かさ、多くの人々が織り成す街の雑踏や雰囲気は、殆どと言っていい程に伝わって来ない。それらは書くのも考えるのも面倒臭いが、書かなければ世界を描く事は出来ないだろう。

    もう一つ気になったのは心理描写である。登場人物の心の動きについて表現する事は意識されているだろうか。力を入れている戦闘描写でさえ、蹴った、斬った、殴ったという事実のみで結ばれているのは薄味に感じた。鳩尾を蹴り上げられた時の、呼吸そのものが固形化して体内に詰まったような苦悶。そのようなダメージの描写を入れるだけでも、戦闘描写はより瑞々しくなると思う。

    長くなったが、以上が言いたい事である。
    恐らく作者様は過去の私と似たような悩みを抱いていると感じた為、正直に書かせて頂いた。

    文章を肉厚にした所で読みにくいし、読者の想像力をもっと信じるべきだという意見もある。それはそれで尤もだし、どんな意見を採用してどんな物語を綴るかは作者様の自由だ。

    どうか、後悔の無い執筆活動を。
    此処に書いた意見が、その一助になれば幸いである。

    作者からの返信

    長く充足的なコメントありがとうございます。
    とりあえず、二つだけ述べさせていただきたいです。

    ・推敲および添削
    現在、文章の書き方や大枠を全て書き直しており、最新話までそれを続ける予定です。必要最低限の物のみを整え(要するに粗削り?)ています。その為、当然ながら再びあとからまた書き直すことになると思います。てか書き直します。
    しかし、世界観をイメージさせるという点については一切配慮していなかったというのは事実でした。街並みや、料理の薫りなど、五感を軸にした表現を取り入れるのは早速行っていきたいと考えています。

    ・心理描写
    ご指摘の通り、心理描写についてはほとんど意識…というよりは叙述していません。
    その理由としては、先述したように粗削りとして、かつ戦闘描写を軸にした企画を行っているということもあるためですが、それよりも大きな理由があります。
    仕草としての心理描写は二話の図書館での

    『彼は立ち上がり、本でも読むかと呟いた。何かに集中してないと、考えてしまうからだ。
     歩いて本棚を見渡す。一冊手にとって、表紙を見る。パラパラと中を見て、パタンと閉じた。また少し歩いて、一冊手に取る。今度は開くこともなく本棚に戻した。
     静かな館内に、彼の足音だけが響く。』

    くらいしかまともに書いていませんし、単なるモノローグや語り部的な心理描写が多いということは一旦さておかさせていただくのですが、とある工夫・拘りのようなものがあります。

    この作品は、転生者であるツムグではなく、テインや他四人を読者側の視点として書いているよう心掛けています。
    発想自体はONE PIECEのルフィにモノローグがないというトリビアからインスピレーションを受けたのですが、コミュ力がある人や信頼される人というのは、やはり実践する人だと私は考えています。具体的なモノローグにより主人公の内面を述べるのではなく、外面・言動を述べることで、『信頼されるリーダー』を表現しようと試みています。
    ただ、いくつかのリーダーシップ論やモテる男論などを参考にしようとしているのですが、まったくもってうまく出力できずにいますし、他キャラの心理描写的な仕草が少ないというのも事実です。てかほとんどそうとしか言えない。あくまでもこれは工夫よりも挑戦に近いものです。
    現在はただひたすらに読み直す、書き直す、読んでいただくを繰り返し続けるのみだと思っています。

    拙作にお時間を割いていただき、本当にありがとうございます。読んだいただいた上での正直な感想に一切の不愉快さは感じません。
    是非とも参考にしていただきたいです。
    また、貴殿の作品もお読みいたします。
    改めて、ありがとうございました。