第326話 電車化された「やくも」に乗った。
あれは1983年の秋口。
あじわいの岡山路
と銘打たれた、急行まで無料で乗れるフリー切符。
そこに、自由席特急券を買い足して、やくも号に乗った。
岡山から新見まで約1時間。
当時の新車独特のペンキのような臭い。
うわさに聞く「振子電車の酔い」に、見事にかかってしまった。
その日の朝は、オロナミンCを一本飲んでいただけだったから、助かった。
何か食べていたら、間違いなく吐いていただろう。
それから約20年ほど経った頃、再び乗った。
今度は、酔ったりはしなかった。
あ! ごめん! やっぱり酔っていた!
酒に(わっはっは)。
でも、いわゆる乗り物酔いは、一切なかった。
そして、酒も飲まずに酔えたあの日から、
40年とちょっと経った2024年2月。
再び、「やくも」に乗った。
岡山から、玉造温泉まで。
鉄道研究会にスカウトされたときにもらった会誌「紫煙」創刊号。
そこには、181系気動車時代の「やくも」に乗った先輩のルポがあった。
先輩が乗車したのは、1979年5月下旬のこと。
そこからもう、45年。
3年後に電車化と同時に就役した381系も、今年、ついに終焉。
なぜ、岡山と玉造温泉を日帰りで往復したのか。
その先輩のルポとまったく同じコースであるから。
出雲市までなぜ行かなかったか?
岡山から200キロを超えて運賃・料金が一気に上がるから。
それは、まったく同じ。
ってね。
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