心の中に描きしシュプール・昭和の自由の森の冬へ

第307話 岡山にも、かまくらが出現!

1984年2月1日。国鉄の減量ダイヤ改正は大雪の中実施された。


さてここは、国鉄の減量に反比例して増えた白い雪。

自由の森は、幸か不幸か丘の上に移転している。

一番上にある平屋の児童棟の裏は、すでに山。

雪もしっかり、降っています。

住宅地内にあった頃は、こうもいかなかったことでしょう。


その平屋のC寮にいたのは、中高生男子。

彼らの何人かが、何を思ったのか、雪を大きく固めた。

そして、ある場所からしっかりとスコップをもってきて掘り出す。


かくして、温暖な岡山市に、かまくらが出現した。

わざわざ雪の降る県北に行かなくても、

神奈川県のあの市まで行かなくても、

自由の森の敷地内に、なんと!

                        かまくら 

が、出現したのである!


実際このかまくら、1週間やそこらは持ったはず。

その後も断続的に雪の降る日がありましたからね。

寒いと、雪も溶けませんから。


それでも、3月も近くなれば雪も降らなくなり、温かくなってきた。

それと同時に、実はこの寮から、職員間に大きな問題が芽生えたらしい。

そのことは、後の作家氏の人生に少なからざる影響を与えたという。


かまくらの中は、温かいという。

あのかまくらは、その問題が芽生える前の最後の温かさの象徴だった?

のかも、しれないね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る