第284話 てまきずし?! 

手巻き寿司(てまきずし) なんじゃ、こりゃあ?!


 自由の森にとらわれていた、マジで千年もここにいなきゃいけないのかと思わされていたけど、ふたを開けてみれば、それはたった12年数カ月の間。人生においてはあまりに重要な期間を長くという気もせんではないが、そこは置いておこう。

 ともあれ、ヒトラー氏が政権を奪取して後総統官邸で自決するまでの期間とほぼ同じ長さの期間、もっとも世間から隔離されたイメージにあるにもかかわらず、その世間の変化を食生活において受けていた話を一つ、思い出しました。


・・・・・・・ ・・・・・ ・


 住宅地から丘の上に移転して、

 名を体だけしっかりアジャストさせた自由の森!


 ある日の昼食のメニューを見て、びっくり!


手巻き寿司、吸物

 あと、何だっけかもあった気が


 てまきずし、って、なんじゃらほい?


 とりあえず、給食室から寮に食材を持ち帰りました。

 酢飯と、海苔と、あと、卵巻きやら何やらの具材

 刺身はさしてなかったような気がする。

 生ものは、こういう場所では難しいからね。

 でも、いかやたこくらいは、あったかもしれない。

 ま、子ども相手というのもあるから、しゃあないわ。


 給食室の調理師のおばちゃんの話では、こう。

 海苔の上に酢飯を置き、その酢飯の上に具材を置いて、巻いて食べる。

 それで、いいのだそうな。


 これじゃあ、手巻き寿司っていうより、手抜き寿司だろう。

ってか?

 マジで最初は思った。


 その時の衝撃、なぜか、ある方の作品を読んで思い出した。

 1982年に酢のメーカーがCMを出したのが一つの起爆剤になったとか。

 その方の作品をよく読むと、実際、それ以前から寿司屋の賄にあったとか。

 なるほどなるほど。


まかないが いつの間にやら 食卓に 電波の伝播に のりてまきずし

*5句目、掛詞的にお読みください。


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