第131話 ときには、県内

 自由の森には、それなりの数の、少年少女がいます。

 まとまれば、団体扱になるほどには、おりましたね。


 となれば、マイクロバスとか、貸切バスとか、でね、

 日帰りとか何とか、お出かけが、できますよ、って。


 何でもかんでも群れさせて、

 それで、家族の家庭のとね、

 そういうゴミのような言葉、

 もとい、美辞麗句を並べて、

 いろいろやるのであります。


 海水浴も、鳥取ともなれば列車になるけど、

 日帰りなら、地元のバス会社に頼めばいい。

自由の森 様 団体バス旅行。

 今年は、玉野市渋川の海水浴場へ、ってね。

 そんな年も、ありました。


 大昔、水島にコンビナートができる前はね、

 児島のお寺に泊り込み、2泊3日の海水浴。

コンビナートができて、もう来年からは泳げない。

当時の子どもらは、他を探してとせがんだそうな。

高度経済成長に入った頃の、昭和の自由の森の姿。


 別にいちいちええよ、そんなもの、どっちでも。

 そう思っていた、静かにませていた少年もいた。

 今や小説家で詩人にしてノンフィクション作家。


 ま、海水浴なんか、そんなものはギミックに過ぎねぇんだ。

・・・、ってか?

 

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