第87話 学校はなぜ楽しい? では、自由の森は?

 これはもちろん人にもよるから、一概なことは言えん。

 でも少し、週の仕事始めがてらに考えてみましょうか。


 学校が楽しいのはなぜか?


 そこに行けば、たくさんの同級生や上下学年の子がいるから。

 みんなをまとめてくれる先生という名の大人もちゃんといる。

 せやな。


 そしてみんな、夕方までには家に帰る。

 親かどうかはともあれ、親族の大人がいる。

 兄弟姉妹がいる子も、いますよね。

 極端な大家族もあるけど、それは今時、さほどもいない。

 ある程度年齢もいけば、自分の部屋くらい与えてくれる。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 では、自由の森についてみていこうかね。


 自由の森の子らも、基本的に学校に行く。

 そこは、みんなと同じ。

 だけど、帰って来るのは、この地。


 部屋には、何人も同じくらいの年齢の子がいる。

 学年は多かれ少なかれ、違うことが多いけどね。

 その部屋の一番年長の子を部屋長って名付ける。

 そして、そこにうら若き短大新卒の保母が来る。

 その子たちの親代わりとして、仕事として、ね。


 女工哀史か? 人体実験モルモットの世話係か?

 それは、あえて問うまい。問うのは、野暮かな。


 しかしな、これのどこが家? 家庭ってかぁ?

 笑わせるなよ。学校の延長戦じゃねえかよ!!

 一つの部屋に、何人もの同境遇の? 子たち。

 子どもらしさのようなものを押し付ける職員。


 かの作家さんだがね、今も怒っているよ。

 あんなもの、土台家庭でも社会でもねえ。

 犬猫のじゃれ合いレベルの場所に過ぎん!

 よくあんな体たらくでやれていたものだ。

ってか?! 

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