第67話 傘さして、自転車に乗って・・・

 40年近く前、傘をさして長靴を履いてH山小学校に通っていた少年。

 今や50代の、いい歳の分別盛り?のおじさん。

 彼は今も、自動車の運転免許を取得していない。

 そんなものが必要な場所には死んでも住まないと公言しているという。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 50代になり、養護施設行のトリガー(引金)となった父方祖母の享年を超えた。

 祖母より長生きしているのに、やっていることはといえば、・・・なことばかり。


 ある雨の日、彼は駅前の餃子チェーン店でビールをしこたま飲んだ。

 そして、傘をさして自転車に乗り、自宅へと戻っていた。

 ある交差点で、ついに彼は、捕まった。

 傘さし運転は、道路交通法で禁止されている。

 自転車への取締は、ゆるやかながらも徐々に厳しさを増しているキョウビ。

 彼は、黄色の切符を切られた。

 住所氏名、バレてしもたって。

 今度捕まったら、赤切符で反則金だとまで言われてしもた。

 しゃあないなぁ~。


 あとは雨の中、傘は差さずにさっさと帰った。

 そこから自転車で5分程度だからね、大丈夫。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 自宅に戻った彼は、あることに気付いた。


 飲酒運転は、バレてない! ってか? 

~そういう問題じゃなかろうと思うの、彼以外の皆さん全員?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る