第69話 家庭のお風呂?!

 理想に燃える若き男性児童指導員の熱き理想は、自由の森に活気を与えていた。

 3つの家・3つの大きな家庭。20人強。ちょっと多い大家族みたいなものね。

 そこで、幼きも若きも、男女ともに、家族のように暮らすのです。たのしいね。

 その理念は、少しずつ丘の上の自由の森に定着しつつあるように思えていた頃。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 家庭のお風呂。

 これまでの銭湯くずれの大風呂じゃなく、ちょっと大きめの家庭のお風呂。

 時間を決めて、男女別、年齢別に、次々入っていく。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 保母ばかりのA寮では、こんなことが起こったらしい。

 小学生男子と、担当保母が一緒に風呂に入るそうな。

 それが、家庭的な・・・、なんだってよ。

 男性の児童指導員がいる寮では、さすがにそれはなかった。

 小学校1年かそこらまでならともかく、5年生や6年生までもが、だぜ。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 小学生とはいえ、男子と言えども高学年にもなれば、体つきが変わってくる。

 それは、女子でも一緒だけどな。

 それを、タテ割りの寮にするのはいいが、そんなくだらないことをしよって。

 家庭と銘打てば、何をやってもいいというものではなかろうに!


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 何やらそんなことでひと悶着あったというけど、これ以上はノーコメント。

 これ以上述べると罵倒にしかならないから、今回はここで止めさせてくれ!

・・・、ってンだよ!

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