第49話 修学旅行が終わるまで・・・
今や文教地区として名高い、O市立K中学校、同H小学校。
自由の森は、1981年まで、そちらの学区にありました。
その年、昭和56年ともいうが、郊外の丘の上への移転が実施。
子どもたちを公用車のバンに乗せ、男性職員が何往復も往来す。
当時の国鉄のダイヤ改正前後の「移り変りダイヤ」よろしくだ、
自由の森の職員室では、その対策が散々練られたことでしょう。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
さて、子どもたちの通う学区は、どうなるか。
すでに高校生になっている児童は、今さら変わらないよ。
帰る場所が、地理的に変わるだけのお話です。
問題は、小中学生。と言っても、大したことじゃないね。
O市が指定する学区にある、公立小中学校に通うことに。
要は、転向を余儀なくされるってわけですよ。
あ、間違えた。転校して、「転校生」になれってことね。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
ところでひとつだけ、めちゃ大きな問題が発生したのよ。
その年の中学3年生の修学旅行。
移転して生活を始める土曜日の翌日の日曜から、だって。
これは、しょうがないからなぁ。
日曜日の朝、中3の児童らを駅まで公用車のバンで送る。
2泊3日の日程を終えた後、駅まで、バンで迎えに走る。
つまり、転向日もとい転校日をずらして対応することに。
もちろんこれは、移転前のK中学校の修学旅行ですから、
転校日は、修学旅行の終わった翌日からということにて。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
国鉄時代、どれだけストライキや順法闘争をやっていても、修学旅行列車だけは定刻通り運転していたという。労使とも、そこはしっかりと守っていたのね。
一生の思い出を、自分たちの闘争で台無しにするわけにはいかない。
そんな思いが、国鉄の人たちにはしっかりあったってことだよ!
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まして自由の森ごときに、修学旅行をなくす権利は、ない。
ましてまして、転校先で早速行けなんて、無茶すぎやろが!
・・・、ってか?
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