第28話 サティアンの歌が聞こえる!?

 1990年代前半。昭和天皇崩御後。平成の御世。

 

 世上を騒がせた謎の宗教・オウム真理教

 彼らは何を思ったか、選挙に出馬した。

 御丁寧にも、政党まで結成したそうな。

 もっとも、結果は大惨敗。供託金没収。

 少しは悪銭を国家に取り戻せたかニャ?


・・・ ・・・ ・・・・・・・


ショーコーショーコー ショコショコショーコー

アーサーハーラーショーコー♪


 謎の歌が、選挙報道とともに聞こえてきた。

 もはや戦後ではない。もとい、もはや白黒ではない。

 無論オムロンはスポンサー? ってなわけではない。

 もうすでに、この地にあるよ。カラーのテレビから。

 そしてすでに、昭和でもない。平成の御世であるぞ。


 自由の森の少年たち、この歌に反応!

 かつて、ザトウイチのあのセリフに反応したように。


ザトイチカザトニカシラネエガ!


 しかも今度は、リアルタイムの出来事と来たものよ。


ショーコーショーコー ショコショコショーコー

アーサーハーラーショーコー♪


 面白がって、彼らは歌っていた。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 洒落にならないオチが付いた。

 すぐにすぐでは、なかったが。


 遂にあのひげだるま!仲間とグルになってお縄になるその頃。

 彼らのアジトには、「サティアン」と呼ばれる場所があった。

 この言葉もまた、この地の子どもたち、反応したみたいやね。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 そして、年貢の納め時。

 当時中高生男子を担当していた元児童指導員の山崎氏は言った。


あの自由の森、オウムのサティアンみたいなところがあったな。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 かの団体のサティアンを、別のサティアンもどきから笑っていたってこと。

 それが、その一言で明るみになったのである。


サティアンを 笑ひし子らも 別の地の サティアンもどきに 入れられしかな

 

 こんなんばれました、ってか?

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